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オジー&ジャックのオズボーン親子、世界を巡る新番組がスタート:「これはお笑いさ」

ローリングストーン日本版 7/27(水) 18:00配信

アラモの砦や屋外戦車アドベンチャーなど歴史スポットを、オズボーン親子が巡る新番組が米国でスタートした。

【動画あり】オジー&ジャックのオズボーン親子、世界を巡る新番組がスタート:「これはお笑いさ」

オジー・オズボーンと息子のジャックは、バージニア州ノークスビルの草原で、現役引退したM24軽戦車を眺めていた。ドーン! 森へ向かって空砲が発射され、主砲の先から煙が立ち上る。「おい、今のすごかったな!」胸を手で押さえながらオジーは息子の方を振り返って言った。

これはヒストリーチャンネルの新番組『Ozzy & Jack’s World Detour(オジーとジャック、世界を巡る)』の初回エピソードからのワンシーンである。2016年7月最終週からスタートする番組で、親子が世界中の歴史スポットを訪ね歩き、歴史を学びながら面白おかしく紹介する。親子はバージニア州ジェームズタウンへ向かう途中で、バージニア軍用車両ミュージアムに立ち寄った。ここには、第二次世界大戦時に使用されたビンテージ戦車の全米最大のコレクションがある。次に訪れたジェームズタウンはイギリス人による北アメリカで最初の植民地で、オジーが興味をそそられそうなカニバリズム(食人)が行われたとされる地でもある。番組ではほかにストーンヘンジ、ロズウェル、ニューメキシコ、アラモなども訪れる。

オズボーン親子による新番組のための旅から約1年半が経つが、オジーはまだ戦車の発射の衝撃を体で覚えているという。

「まるで馬鹿でかい爆竹が破裂したようだった」と、ブラック・サバスのフロントマンはローリングストーン誌に語った。
オジーの息子ジャックも「その通り。ほかに表現のしようがない。もの凄い衝撃だったよ」と頷く。
--{オジーはずっと歴史オタクだった!}--
30歳になったジャックは、リアリティ番組『オズボーンズ』出演以降、テレビや映画の裏方として働いている。「あの頃は不安定でやんちゃなティーンエイジャーだった」と、オズボーン一家をオジーと同じレベルにまで有名にしてしまった番組当時を振り返って笑う。しかし番組はジャックにとって良い経験だった。彼は番組を通じて、カメラの前に立つ者ではなく後ろ側にいる人間の方が全体をコントロールする権限を握っていることを知った。その後ジャックはドキュメンタリー『Bed Stuy: Do or Die』、ナショナルジオグラフィックの『荒くれドッグス(原題:Alpha Dogs)』、オジーやブラック・サバスのいくつかのドキュメンタリーの制作に関わった。

『Ozzy & Jack’s World Detour』は、ジャックが友人のプロデューサーと新たなプロジェクトのアイディアを練っている時にその友人が、「(67歳になるオジーと)親子で歴史番組でもやってみたら?」とポロッと言ったことがきっかけだった。それまでジャックは、オジーのテレビ番組出演の話は拒否してきた。「親父がテレビ出演を嫌がっていたんだ」。しかしジャックは歴史番組のアイディアに乗ることを決めた。ジャックが幼い頃、父親がテレビの歴史番組を好んで観ていたことをおぼろげながら覚えている。息子はオジーのそんな姿に子供ながらショックを受けたという。

オジーはずっと歴史オタクでもあった。「1948年生まれの俺がまだ小さいガキの頃は、よく爆撃跡で遊んだものさ。戦後だいぶ経ってからテレビで戦争についての映画を観て、戦争という愚かな行為に興味を持つようになった」。
--{ツアーの合間での撮影スケジュールを親子で検討}--
父親がブラック・サバスのフェアウェルツアーで海外を回ることが決定すると、ジャックはアラモやストーンヘンジなど彼が訪れてみたい世界中のスポットをピックアップし、ツアーの合間での撮影スケジュールを親子で検討した。「俺の休みがなくなっちまうが、まぁいいさ。楽しそうだったし」と、オジーは嬉しそうに語った。

ロケハン担当も含め総勢約25名のスタッフがいて、オズボーン親子には常に10名程のスタッフが同行していた。プロデューサーのひとり、グレッグ・ジョンストン氏は番組『オズボーンズ』にも関わっていた。ちなみにジャックは今回の企画に際し、「他の仕事でそれぞれ忙しそうだったから」という理由で母親のシャロンや姉のケリーには声をかけなかったという。

親子の旅行の大部分は地味なものだった。しかし、1982年にオジーが立ち小便事件を起こしたテキサス州サンアントニオのアラモの砦では事情が違った。82年の事件後オジーは、サンアントニオでの興行を禁じられていたが、92年に解禁されている。しかし、オジーのアラモ砦訪問がマスコミに嗅ぎつけられたために入り口付近に多くの人々が押し寄せ、ただでさえ昔騒ぎを起こした砦への訪問にナーバスになっていたオジーをさらに震え上がらせた。ジャックによると、ざっと1,000人が押し寄せた。

「プロデューサーたちには警告していたんだ。"アラモでは何が起こってもおかしくない"ってね。その通り、暴動状態だったよ」と、オジーはトレードマークでもあるおどけた表情で語った。

番組のアラモ砦再訪のエピソードを見ると、現場へ近づくにつれオジーがだんだんナーバスになっていく様子がわかる。ある車移動中のシーンでは、後部座席に座っていたジャックに向かって「スマホをいじるのを止めろ」と怒鳴りつけ、ヘッドフォンをしてシカゴを聴き始めた。ジャックは、「実はオジーはシカゴの大ファンなんだ」と明かす。イラつくオジーの様子にもかかわらずジャックは、「親父はアラモ砦に戻ってこられて嬉しいみたいだった」という。
--{オジーがアラモへ行く}--
「オジーがアラモへ行くという情報がマスコミに漏れて各メディアで報道されたことを、親父は嫌がっていたよ。30年前、人々は合法的に親父を抹殺したがっていた。そんなこともあって、今回アラモの砦に集まった人々を見て、親父は本気でビビってた。袋叩きに遭うんじゃないかってね」。

「集まった奴らが騒ぎ出して、本当に恐ろしくなったよ」とオジーは振り返った。

「集まったのはオジーのファンだったんじゃないか?」とジャックは言う。

群衆をどうにかやり過ごした後は、特に問題は起きなかった。砦の中でオジーたちはひと息つき、砦を改装した博物館でデヴィー・クロケットの遺品に感動し、番組のための撮影を済ませた。撮影完了後はスタッフがオジーたちを裏から密かに脱出させた。

テキサスでは他にNASAも訪れ、月面探査車を運転して立ち往生したり、宇宙服を試したりした。管制室を見てオジーは「テレビだと広く見えるが、実際はそんなでもないな」と感想を漏らしている。

さらに宇宙服に関しては「お世辞にも快適とは言えないな。俺はあんなのを着て歩き回れない。それにあの下着・・あれはまるででっかいブルマーだ」。

ジャックが続けた。「宇宙服はまるでウェットスーツみたいだった。宇宙飛行士が背負っているのは冷却ユニットで、何か冷たい水のようなものが宇宙服の中を回って冷やすんだけど、体は濡れない。下に着ているオーバーオールはパタゴニア(訳注:アウトドア製品のメーカー)製だったんだ。へぇって思ったよ。パタゴニアは年間4着の宇宙用オーバーオールを作っているんだなって」。

「俺は宇宙服は問題なかったけれど、ヘルメットを脱ぐ時は"勘弁してくれ"って思ったよ。頭ごと取れそうだったんだ」。
--{お気に入りの訪問地はキューバとサウスダコタ}--
ジャックのお気に入りの訪問地はキューバとサウスダコタだった。キューバに関しては、オジーも2016年初頭のローリングストーン誌とのインタビューで、 「ぶっ飛んだ」と話している。ジャックは、キューバの料理や冷戦時代そのままの建物や車を気に入ったようだ。またサウスダコタに関しては「まるで10年目 のオレゴン州ポートランドみたいにクールな街だった」という。さらにサウスダコタのラピッドシティは、バッドランズ、ラシュモア山、リトルビッグホーン、 ミサイル基地に近く、ジャックはお気に入りのひとつに挙げた。


北アメリカで最初のイギリス人による植民地を訪れたジャックとオジーのオズボーン親子。戦車の大砲の爆音でやられた耳が回復した後のショット。(History)

ジャックによると、オジーは金の採掘の歴史があるサウスダコタを気に入ったようである。「俺たちは一度、鍋を持って砂金探しを体験したんだ。オジーはその後の撮影中も"また砂金採りに行きたい"って繰り返してたよ」。

本編では全面カットされていたが、オジーはサウスダコタの恐竜博物館もいたくお気に入りだったようである。「ティラノサウルスの全身の化石を見たことあるか?とにかくでっかくてすごいんだ。スピルバーグの『ジュラシック・パーク』に出てくるような、どでかいやつを間近でみられるんだぜ。やつらは殺人マシーンだ」。「化石に触れたか?」との問いには、「俺のあそこを触ってみろよ。それが化石さ」と、すまし顔で答えた。
--{番組映像はこちら}--
この抱腹絶倒の番組制作に、ジャックは真剣に取り組んだ。ジャックは『World Detour』を予測不能な番組にしたかった。「いわゆる"リアリティ番組"には今や誰も見向きもしない。"あんなクズ番組"と言われるのがオチさ」。

画面を通して親子の絆が表現できたことを、ジャックは誇りに思っている。親子はお互いに突っ込み合いながら、歴史の真実を目の当たりにして二人で一緒に感動もした。「30になって親父と10週間も一緒に旅するなんて、めったにない経験だろ。30歳になってしかも結婚してたら、普通はこんな体験をしない。貴重な経験をしたよ」と、ジャックは振り返った。

「ジャックは本当に公平な人間だ。良きパパであり、良き夫でもある」と、オジーは息子を評した。

「だけどこの番組はお笑いだったな」

Kory Grow

最終更新:7/27(水) 18:00

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