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有給休暇の取得を邪魔するモノは、みんなの心の中にある。 (後閑徹 人材・組織開発コンサルタント)

シェアーズカフェ・オンライン 7/28(木) 6:45配信

2016年7月11日に発表された「子育て世代の年次有給休暇の取得意識」調査(株式会社第一生命経済研究所)によると、有給休暇をとることへのためらいを感じる・ややためらいを感じる、と答えたのは男性57.3%、女性63.2%。全体で実に61.2%に上る。そして、その理由は、他人への気兼ねとするものが圧倒的に多い。

■有給休暇を取得することにためらいを感じる理由

1.休むと職場に迷惑がかかるから 54.2%
2.休むと後で忙しくなるから 33.8%
3.職場の周囲の目が気になるから 30.2%
4.家族の病気や急な用事のために残しておく必要があるから 19.8%
5.職場の周囲の人がほとんど有給休暇を取らないから 18.3%
6.上司がほとんど有給休暇をとらないから 16.3%
7.自分の病気や急な用事のために残しておく必要があるから 14.5%
8.昇格や査定への影響が心配だから 11.7%
9.上司が部下の有給休暇の取得を嫌がるから 11.0%
10.職場の同僚が、有給休暇の取得を嫌がるから 3.8%
※複数回答
「子育て世代の年次有給休暇の取得意識」調査(株式会社第一生命経済研究所)より


1・3・5・6・10はまさに他人の目を気にした理由だ。上司や職場メンバーが帰らないから帰りづらい、というよくある残業理由も、上記と同じ他人の目を気にした理由であり、個人が周囲に気を遣い、同調しようという様子がみてとれる。

■集団に統合されてしまった個人の運命は?
組織は集団として、何らかの形でその集団にメンバーを引き付け、留めておく必要がある(集団凝集性)。ドイツ・シュツットガルトにある自動車会社で働く若い友人が、日本の某メーカーと協働した際、一緒に働いていたドイツ人が、日本人の集団での力に目をみはった、という話をしてくれたことがある。これは集団凝集性の高い組織の良い面だ。

しかし、過度な同調は誤った方向へと組織と個人を導く危険性も高い。集団から突出した行動は嫌がられる。横を見て、空気を読み、自分の欲求を押し留める。特異な発想は嫌われ、個人は意見を言うことを止め、やがて思考を停止する。

第二次大戦中、ナチス・ドイツにおけるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の指揮をとったアドルフ・アイヒマンの「私はただ上官の命令に従っただけ」という言葉は、まさに集団に完全に統合されてしまった個人の言葉だ。健全な組織は、常に集団と個人の自律の間を揺れ続ける必要がある。

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最終更新:7/28(木) 6:45

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