ここから本文です

最適な眠りのために知っておきたい、光と睡眠の意外な関係

ライフハッカー[日本版] 7/28(木) 23:10配信

現代社会に住んでいる私たちは、不可能なことを技術の力で可能にする場面を目にします。私たちの体はもともと、空を飛んだり、地上20階に住んだりするようにはできていません。そして、日が出ていない時間に起きているようにもできていないのです。人間ができるようになったことのなかで最も普遍的なのが、「夜でも起きていること」かもしれません。そして現代の私たちが最も使いこなしているのが、照明ではないでしょうか。これらは、大部分においては良いことです。「1日」の時間が増えたことで、社交や仕事がもっとできるようになったのですから。

しかし問題は、「人間は光を見ると起きている時間だと認識するようにプログラムされていること」です。私たちの目は、iPadの画面のような、青みがかった光を、日中の太陽光として扱ってしまうのです。室内の照明によって、人間本来の就寝時間をはるかに過ぎた時間まで覚醒しているのに、それに加えて電子機器から発せられる光を頻繁に見ることは、睡眠を妨げる原因になります。この問題は広く蔓延しており、米国人の95パーセントが就寝前の1時間以内に電子機器を使っているという推定もあります。

したがって、人間が、光によって調整される睡眠/覚醒の概日リズムをもたないよう進化するとか、日の光が健康に良くないとされる反ユートピア的未来が来るといったことでもない限り、私たちは、光と睡眠の関係を受け入れ、それとうまくつき合っていかなければならないのです。以下、その方法を紹介したいと思います。

人間の体内時計は24時間ではない

青色光に対する私たちの体の反応は、その光が青だからというよりも、地球の組成に由来するところが大きいのです。青の波長は、他の色の波長に比べて海面を透過しやすく、海中まで届きます。海は生命が誕生した場所です。やがて生物が進化の過程で海から陸へと上がってくると、今度は、空の色の反射率が情報として利用されるようになり、以後生命体は、睡眠覚醒の周期の調整を青色光に依存するようになりました。(もし人間が火星上で進化したとしたら、私たちは赤色光に同じような反応をするようになっていたのではないでしょうか?)

この進化によって、光を、毎日の概日リズムを整える合図と見なす、複雑な仕組みが出来上がりました。網膜の神経節細胞のごく一部が含有している、メラノプシンというタンパク質が、強い青色光に反応して、概日リズムをリセットするスイッチを入れるのです。メラノプシンが反応すると、眉間の奥にある視床下部の視交叉上核(別称:体内時計)に信号を送ります。その信号はさらに松果体に送られ、睡眠を促すホルモン、メラトニンの分泌を抑制するのです。

しかし、このような進化的適応が生じたにもかからわず、人間の体は、地球の24時間周期とわずかにずれています。もし日光の介在がなければ、数件の研究で実際に試されたとおり、人間の体内時計は平均24.2時間の周期で動いているのです。つまり、窓のない部屋で、体の欲求に任せて寝起きすると、体内時計が1日約15~30分ずつずれていき、1カ月後には、昼と夜が逆転するということです。

概日リズムのずれを防止するための鍵は、日光です。「生体時計は、毎日、起きた時にリセットされます。24.2時間ではなく24時間に収まるよう、あなたの体が生体時計を進めるのです」と説明するのは、レンセラー工科大学照明研究センターのプログラム・ディレクター、Mariana G. Figueiro氏です。

強い青色波長を最も多く含む朝日が、私たちの概日リズムを保つのに一番重要なのはそのためです。睡眠中、人体の深部体温が最も低いときに、メラトニンの分泌がピークとなります。そして、理想としては朝5時頃に、朝日が、メラトニンの分泌を抑制する青色光を浴びさせてくれるのです。青色光は、体を覚醒させ、環境時間に合わせる役割を果たします。お昼になってからカーテンを明け放ってみても調子が出にくいのはこのためです。「光を間違った時間に浴びると困ったことになります。でも、日中に十分な光を浴びないというのも、不調をきたす原因になります」とFigueiro氏は言います。

夕方になると、青色波長は散乱して届かなくなり、代わって夕焼け色と呼ばれる、黄、赤、ピンク色の光だけが届くようになります。この暖色光がメラノプシンの分泌を促すことはないので、私たちの体は、睡眠を促すメラトニンを分泌することができます。

1/2ページ

最終更新:7/29(金) 18:04

ライフハッカー[日本版]

記事提供社からのご案内(外部サイト)

ライフハッカー[日本版]

株式会社メディアジーン

毎日更新中

最新ITサービス使いこなしガイド
ビジネス向けガジェット/ツール紹介
いま使える節約マネーハック術
モチベーションを上げるマインドハック

ライフハッカー[日本版]の前後の記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ