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町内会が壊れていく!地域自治の再構築を急げ

JBpress 7/29(金) 6:05配信

 日本の人口減少は、切迫した状況になっている。2015(平成27)年の国勢調査(速報値)によれば、2010~2015年で人口増加した都道府県は8つのみ。その他はみな人口が減少した。少子高齢化も勢いを増している。特に地方では深刻な状況だ。

 人口減少や少子高齢化の問題は、意外な部分に波及している。それは、かつての町内会や自治会といった「地域自治システム」の崩壊だ。

 「地域自治システムの崩壊は、介護や福祉、防災や地方経済など、多方面に悪影響を及ぼします」

 そう語るのは、行政学や地方自治論を専門とする國學院大學法学部の稲垣浩准教授。同氏は、「今後の暮らしのためには、これまでと違った新たな地域自治システムの構築が必要。そのために、住民を巻き込んだ“人づくり”が急務です」と指摘する。

 「新たな地域自治システムの構築」とは、具体的にどのようなことなのか。さらにその上で、自治体に求められる「人づくり」とは何か。稲垣氏に話を聞いた。

■ 町内会がなくなると、「安全な暮らし」はおびやかされる

 ──かつての町内会や自治会といった地域自治システムが崩壊していると伺いました。それにより、どういった問題が憂慮されるでしょうか。

 稲垣浩氏(以下、敬称略) もっとも怖いのは、地域防災がおろそかになることです。災害が起きた際に地域を統率する存在がいなくなりますし、農山漁村部の場合は、森林や休耕田を管理する者がおらず、荒廃が起きます。それは山の鉄砲水などといった災害につながります。それ以外にも、老人の孤独死や子どもの虐待は表出しにくくなるでしょう。これらはすでに現実化しています。

 また、地域住民がまとまって何かを計画したり実施したりすることが少なくなるのも問題です。それにより、住民は「地域」というコミュニティを実感しなくなるでしょう。住んでいる地域に誇りを持ちにくくなるので、若い人の定住という面でも負のスパイラルに陥る危険性はあるかもしれません。

 ──そもそもなぜ、町内会や自治会といった地域自治システムが崩壊したのでしょうか。人口減少や少子高齢化と地域自治システムの崩壊には、どんな関連性がありますか。

 稲垣 地方では自治会・町内会を運営する人材の高齢化や、なり手不足により、会そのものが衰退しました。それにより、住民のやる気も低下し、自治会を返上するケースが出ています。

 都市部でも同様に崩壊が起きています。こちらは、人口は多いものの、個人情報の問題などで自治会への参加を好まない人が多い。そもそも都市部の住民は、地域のコミュニティに対する意識も希薄です。その結果、かつての地域自治システムは全国的に崩壊し、その役割をすべて行政が負担しなければならない状況が生まれています。

■ 地域自治は、「住民主体」でやらなければ成功しない

 ──行政が地域自治システムのすべてを負担するのは難しいのでしょうか。

 稲垣 地域自治は「住民主体」で行うことが大きなポイントになります。

 東日本大震災を例に挙げましょう。震災の後、多数の地域で集団移転が行われましたよね。大抵の集団移転では、決められた移転先ではなく、親類の家や別の地域に引っ越す住民が一定数出てきました。そんな中、宮城県岩沼市の集団移転では、ほとんどの住民が計画された移転先に移り住んだのです。その一体感を生んだのは、行政が仕切らずに住民が主体的に移転の計画を立てたからでした。

 一方、宮城県名取市閖上地区では、行政主導の再建計画が住民の反発を招き、混乱を生じました。この事例を見ても、行政の施策としてやるか、住民の施策としてやるかで、地域自治の円滑さに差が出ることが分かります。

 また、人口減少による税収減少の影響で、行政の財政状況も停滞しています。財源を切り詰めている状態であり、行政がすべての自治をカバーするのは厳しいんですね。むしろ、「NPM(=New Public Management:行政サービスを民間企業に委託することなどで地方自治を活性化・効率化すること)」の考え方に基づいた、行政直営サービスの縮小が進んでいます。ですから、住民主体の地域自治システムを作り直すことが必須になってきます。

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最終更新:7/29(金) 6:05

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