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人気集める高分配金利回りファンドの落とし穴

会社四季報オンライン 7/29(金) 15:11配信

 マイナス金利が導入されてから、半年近くが経過した。この間、預金の利率は大幅に低下している。たとえば、大手銀行の定期預金利率を見ると、預入期間の長短や金額の多寡に関係なく、利率は同じ年0.001%だ。

 現在のような超金融緩和局面ではないときは、預入期間が長くなるほど、そして、預入金額が大きくなるほど、定期預金利率はより高いものが適用されたが、今はより長期で預け入れたとしても、より大きな金額を預けたとしても、定期預金の利率は一律だ。しかも年0.001%なので、預けた100万円を倍にしようと思ったら、それこそ途方もない年月がかかってしまう。

 おカネが倍になるのに必要な期間を求める算式である「72の法則」に当てはめると…

 72÷0.001=7万2000

 つまり7万2000年もかかる計算だ。「いくら何でも……」と、思わずため息が出てしまうだろう。

 そのせいか、最近は投資信託で、分配金利回りの高いファンドが人気を集めている。一時期、タコ足配当に近い形で支払われていた分配金に対する批判があり、高分配利回りファンドはやや影を潜めていたがマイナス金利の導入以降、人気に復活の兆しが見える。

 ただ、分配金利回りは単純に収益性を比較する際の指標にはならない。同利回りの高いファンドが収益性に富んでいるとは一概に言えないのだ。

 まず、分配金利回りの計算式は次の通りだ。

 (分配金額÷基準価額)×100

 ちなみに分配金額は年額をベースにする。この基礎知識を頭に入れたら、下表にある事例で考えてみよう。

 ファンドA、ファンドBいずれも運用開始時の基準価額は同じ1万円。1年後の決算日に、両ファンドとも800円の分配金を支払うことになったとする。ちなみに、1年後の基準価額はファンドAが1万1000円。ファンドBは8500円。分配金利回りは、過去1年間で支払われた分配金の総額を、直近時点の基準価額で割ってはじき出すのが一般的だ。したがって、両ファンドの分配金利回りは、次のようになる。

 【ファンドA】
 800円÷1万1000円=0.0727=7.27%

 【ファンドB】
 800円÷8500円=0.0941=9.41%

 両ファンドの分配金利回りを比較してみると、何かおかしいと思わないだろうか。確かにファンドBの同利回りは、ファンドAのそれを2%以上も上回っている。しかし、これだけでファンドBのほうが収益面で優れていると判断できるだろうか。

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最終更新:8/1(月) 7:41

会社四季報オンライン

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