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巨人「4番阿部慎之助」は最後の切り札。伸び悩む大砲候補たち

ベースボールチャンネル 7/30(土) 12:20配信

時計の針は止まったまま

4試合3勝1敗。15打数5安打(2本塁打)7打点。

阿部慎之助が4番に座ってからのチーム成績と個人打撃成績だ。
5月29日から2カ月弱続いた4番長野に見切りをつけ、7月24日のDeNA戦から4番阿部で再スタート。
通算1862安打、368本塁打を誇る37歳のベテランに広島追撃を託すことになった。
右肩痛で開幕から出遅れるも、今季ここまで43試合、打率.304、7本、28打点、OPS.839、得点圏打率.370。
昨季が打率.247、15本、47打点だったことを考えると「復活」と言っても過言ではないだろう。
さすが背番号10という活躍を見せているが、キャンプ時での構想は4番一塁は新助っ人ギャレットで、阿部は小林と正捕手を争うはずだった。
結局、原監督時代の「阿部のチーム」から脱却しようと編成したはずが、夏場の勝負どころで最後の切り札「4番ファースト阿部」に頼らざるを得ないチーム事情。
首位と10ゲーム近く離された目の前の現実が理想を上回ったのだろう。
2016年「一新」というチームスローガンながら、ジャイアンツの時計の針は止まったままだ。

クルーズ、アンダーソン、亀井、片岡、立岡らが故障で戦列を離れ、代わりの若手陣もアピールできていない現状。
数年前から言われ続けた坂本勇人と長野久義の「サカチョーのチーム」という構想も完全に崩れた。
4番を任せられたらマイペースな長野も変わるのではないか。
そんな首脳陣やファンの期待も虚しく、打率.279、6本、26打点、OPS.699、得点圏打率.221と今季も主軸としては寂しい数字が並んでいる。
大田泰示や中井大介といった数年前の主砲候補たちも、気が付けば20代中盤から後半だ。
年齢的にも彼らがここから飛躍的に成長するとは考えにくい。

岡本離脱の二軍は今……

だからこそ、由伸監督はオープン戦で2年目の岡本和真をスタメンで起用し続けたのだろう。
昨季2軍でわずか1本塁打だった20歳は、今季イースタンで72試合で15本塁打、62打点とスラッガーとして開花しつつある。
課題の内野守備面も徐々に向上しており、来季からは1軍で背番号38を見られるはずだ。
将来的には岡本と同じ高卒ドラ1選手の山田哲人(ヤクルト)、筒香嘉智(DeNA)、中田翔(日本ハム)といったチームを背負える4番バッターとして期待が懸かる。
とは言っても、すぐに救世主としてどうこうというのも酷な話だ。
彼ら球界を代表するスラッガーを見ても明らかなように、順調に育っても4番定着には5年はかかると思っていたほうがいいだろう。
由伸監督の「岡本4番1000日計画」はまだ始まったばかりである。

この岡本が右ふくらはぎに死球を受け戦線離脱した29日、イースタンロッテ戦の巨人2軍クリーンナップは平均30.6歳。
3番セカンド脇谷亮太(34)、4番DH堂上剛裕(31)、5番ライト北篤(27)というメンツだった。
脇谷は西武から出戻りFAで復帰、堂上は中日、北は日本ハムからのアラサー移籍組だ。
入団時は右の大砲として期待された13年ドラフト2位和田恋は2軍で打率.254、2本塁打と伸び悩んでいる。
岡本がいない夏は、まるで抜け殻のようなジャイアンツ球場。
2軍と3軍の試合を続けて見ると、どうしても巨人若手野手の小粒さが目立ってしまう。
現在13名も在籍する助っ人選手とともに編成・スカウト部門からの見直しも必要になってくるだろう。

偉大なる「4番阿部」も永久に不滅ではない。
今、巨人軍に必要なのは抜本的な改革である。



中溝康隆

ベースボールチャンネル編集部

最終更新:7/30(土) 12:20

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