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「星のや」はなぜ入り口で客に靴を脱がせるのか?(森山祐樹 中小企業診断士)

シェアーズカフェ・オンライン 7/30(土) 6:05配信

7月20日に東京大手町に温泉を備えた地上18階、客室数84室の「星のや東京」がオープンした。星野リゾートにとっては、都市部で運営する初めての施設であり、日本旅館を世界に広める試金石という位置づけである。

国内では北は北海道から、南は沖縄まで、様々なリゾートを手がけ、利用者の支持を得てきた星野リゾートであるが、これまでの高級ホテルとは何が違うのか。星野リゾートが作り出す戦略の違いを読み解いてみる。(星野リゾートでは、複数のブランドを展開しており、それぞれが異なるコンセプトの元で運営されているが、今回は軽井沢や東京に展開する「星のや」に焦点を当てる。)

■リッツカールトンの戦略
まず、星野リゾートの特徴的な戦略を紐解く前に、国内に展開する高級ホテルと比較してみる。日本で東京・大阪・京都・沖縄に進出しているリッツカールトンは、様々な手法で顧客の心を掴む、ユニークな戦略を展開する。

リッツカールトンでは、「クレド」と呼ばれるカードに価値観が刻まれている。顧客を紳士淑女であるとする一方、顧客をもてなす従業員も紳士淑女でなければならないとしており、従業員満足と顧客満足の向上こそが利益をもたらすと説く。彼らの戦略の中心は人材であり、従業員満足度が高まることで、さらにより良いサービスを顧客に提供しようと行動する。その結果として、顧客に満ち足りた幸福感を提供することができるのである。

また、そのサービスを行う際には、現場や個々人にある程度の権限を移譲し、顧客の要望に対して「ノー」と言わないサービスを従業員が常に考え、マニュアル主義の画一的なサービスに陥ることの無い仕組みが隠されている。

リッツカールトンの従業員たちは、顧客ニーズを読み取ることに全力を尽くし、そのニーズに対し、顧客の期待を超える価値を提供しようと努力する。いわばニーズの先取りとそれを超える感動体験がリッツカールトンの商品であり、模倣困難性を伴う付加価値である。その結果が、今日のリッツカールトンの地位を築いているのである。

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最終更新:7/30(土) 6:05

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