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オリックス若月、投手陣を引っ張る若き司令塔。鈴木コーチも認める「サインで会話ができる」信頼関係

ベースボールチャンネル 7/31(日) 12:20配信

西とのバッテリーで4連勝

「まだクライマックスを諦めてません!」

 24日の日本ハム戦で決勝のスクイズを決めて、はじめてヒーローインタビューを受けた高卒3年目のキャッチャー、若月健矢が力強く話すと、ライトのオリックスファンから大きな拍手と歓声が起こった。

 すでに自力のクライマックス進出がついえてしまっているオリックスだが、7月に入ってからは11勝11敗(30日現在)と力強さを取り戻しつつある。その原動力となっている選手のひとりが、現在メインでマスクを被っている20歳の若きキャッチャー若月だ。

 6月28日の楽天戦で、ベンチが若月の評価を高めるこんなシーンがあった。
 3-1でリードの7回。2死1.2塁、バッターは藤田、カウントは2-2という場面。マウンド上の西勇輝は若月が出したサインに首を横に振ったが、さらに同じ球を要求されると、ニヤリと笑みを浮かべて頷いた。

 投げたのは外角のスライダー。これがズバッと決まって見逃し三振。西は若月を指差しリードを称えた。それは7月5日のソフトバンク戦でも、西が若月のサインに対して微笑む姿が見られた。西は「ミーティングと違う配球があったので」と笑顔の理由を話していたのだが、実は、これこそが捕手として大切なことなのだと鈴木郁洋バッテリーコーチはいう。

「西は年下のキャッチャーとはじめて組んだので、責任感がでてきて良い方向に進んでるんだと思う。若月も西に対しては良いところを引き出そうとけっこう押して抑えてるから信頼関係が築かれてるよね」

 26日のロッテ戦(京セラ)に敗れて西&若月バッテリーの連勝は4で止まってしまったが、若月は「今までは自分が折れなかったんですが、あの日は自分が折れてヒットを打たれた球が何個かあったので、次はその反省を活かしたい」と前を向いていた。

着実に近づいている正捕手の座

「正捕手への道は順調にきてますよ。ピッチャーとサインで会話を交わせるようになってきたのが順調にきている証拠だよね」

 プロ1年目から近くで見てきた鈴木コーチの若月に対する期待は大きい。若月もその期待に応える活躍を見せている。30日現在、先発マスクも31試合と最多マスクの山崎勝己(32試合)に迫っている。打席数では115打席(30日現在)と伊藤光(106打席)を抜き捕手陣では最多になった。

 課題だったバッティングは足を上げず、下半身の使い方を生かした高校時代のフォームに戻したことにより、ヒットが出るようになり打率も.302(30日現在)と好調、安定感を増している。若月は「まだ使っていただいてると思っているので、勝ってないのが悔しいですね。勝ちたいです」と話している。今月は19試合に先発出場して9勝11敗、チーム防御率が2.87(30日現在)と盛り返してきた。

「チームがこういう状況だから若月を使っているわけじゃない。彼は入ってきた頃からバッターを抑える感覚を持っていたし、若月と話をすると、こちらも感心するような発見があったりする。本来の力をだしてもらえたら正捕手を獲れる」

 鈴木コーチは若月の起用についてこのように語り、目を細めた。

 若月の急成長は奥浪や園部といった同期にも刺激を与えており、若手を積極的に起用する方針に舵を切ったチームにとっても活性化につながっている。

 若月が後半戦のチームを引っ張り、逆転のクライマックスへと導くことができるのか。若き正捕手候補に期待したい。



どら増田

ベースボールチャンネル編集部

最終更新:7/31(日) 12:20

ベースボールチャンネル

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