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都知事選3候補者人間力分析 東京都長期ビジョンを読み解く!【特別編】

Japan In-depth 7/31(日) 6:00配信

特別編、今回は日本初の候補者「人間力分析」。

これまで「都知事選候補者政策評価」として専門的見地から批判的な厳しい内容が続いた。その続きでこれまでの実績を検証してもいいのだが、投票日直前ということもあり、今回は視点をかえて、候補者の「良さ」を引き出す視点で書きたいと思う。

お会いしたことのない方がいるのでやり過ぎの感はあるが、人材育成のプロとしての筆者を中心に、声診断・分析などの専門家の力を借りつつ、行っていきたい。本人や陣営からしたら「それは違う」「浅い」「そんな人じゃない」など言いたいこともあるはず。こちらも参考になるので、その際は是非ご連絡ください。

人間力分析のロジックをまずは明らかにしよう。



(1)行動分析:経歴、キャリアをもとに、各種映像、過去のインタビュー記事を読み込み、さらに関係者の意見を聞き、分析をする。

(2)声診断:声の周波数や波形を分析し、過去のプロファイリングを参照し、人の才能を診断・分析する手法。筆者の師匠でもある一般社団法人日本声診断協会代表理事の中島由美子氏の協力を仰いだ。

(3)その他:顔相診断についての記事の引用をし、関係者の意見を参考にした。

このような方法での人間力分析、いざスタート。



1 鳥越俊太郎氏



(1)分析結果

立ち振る舞い、ジャケットを着こなすファッションセンスなどダンディーな雰囲気が光る。「鳥越製粉」という経営者一家出身で恵まれた育ちだからか、九州出身者だからか、細かいことにこだわらない鷹揚とした性格が垣間見られ、さらに、「九州男」としての男らしさも随所に感じさせる。

ジャーナリストとしての姿勢、京都大学に7年通ったことから、既存のルールや体制的な価値観に対してこだわりがあるわけではなさそうだ。著書の表紙で裸を見せるなどかっこつけてはいるが、様になり、嫌味がない。

編集者としてのサンデー毎日で編集長としても実績をあげ、テレビタレントとしても長らく活躍された。桶川ストーカー殺人事件における取材で日本記者クラブ賞を、警察の裏金疑惑報道で第41回ギャラクシー賞報道活動部門大賞を受賞するなどの実績もある。また、大病であるガンを克服、今回出馬したその根性には頭がさがる。

声診断によると「政治家では思いつかない発想を、政治の場に取り入れていくことができるタイプ」と推察される。さらに「強い思いで人を動かしていく力と新しいものをゼロから生み出していく能力にたけている」とのこと。

顔相診断では「鼻筋が細く、先端部分は矢印が下を向くようにとがっているのが特徴的」で「実行力があり、こうと決めたら突っ走るタイプ」(日刊スポーツ、2016年7月19日)との指摘。「まぶたは厚めで垂れ目。周囲を気遣う努力家で優しい人が多い」(同上)との指摘はもっとも。その垂れ目で、なんとなく優しさを感じていた人も多かっただろう。ちなみに血液型はAB型。



(2)当選後の課題

発言や演説を聞いていても、日本政治への問題意識が色濃く出てしまっている。現状の政治状況は彼の思想的に納得いかないためだろう。実際、都政から国政を変えるためにいろいろな準備が必要になる。

課題の第一は、大きな組織を動かせるか。まずは、都庁の優秀な官僚たちにその能力を認めてもらうこと。彼ら・彼女らの信頼を得ずに組織を動かすことはできない。大きな組織を動かした経験がないことから、どのように組織をつくり動かしていくか?が問われる。つまり、都庁職員に、理解力でなめられないこと、そして、都庁職員にない発想を認められることが必要だ。それなりの人脈もあり、発信力などは十分活躍できるだろうから、そこが肝となる。

第二に、思いを実現させていく上で具体化していくための、実質的な面をサポートする専門家をどれだけ配置できるか。法律の制約、利害調整の制約、地方自治の制約など行政経営は舵取りが難しい。編集部とも、企業経営とも違う。ある意味行政経営の素人だという自覚を持って、その人脈で専門家を結集し、その言葉を謙虚かつ素直に受け入れ、リーダーとして采配を振るえるかが問われてくる。専門家の力を結集するところは、編集長としての経験を活かせる、力の見せ所である。



2 増田寛也氏



(1)分析

出身地ではない岩手県で長年県政の舵取りを担った経験、地元の大物である小沢一郎氏に対して対抗してきたところなど、信念の強さを感じる。2年間の浪人生活を経ての東大合格など、諦めない姿勢も見られる。

建設省での官僚生活。千葉県警察本部交通部交通指導課長、茨城県企画部鉄道交通課長、建設省河川局河川総務課企画官、同建設経済局建設業課紛争調査官と幅広い実務をこなし、現場感覚を磨いてきた。その後、知事としてリーダーシップ経験を重ねてきた。

改革派知事ブームに乗っかる形で岩手県でローカル・マニフェストを掲げたこと、地方創生の理論的支柱となったことなど、時代が求めることに敏感で、時代の潮流に乗るのがとてもうまい。ブームに乗って中身がないタイプとは違い、かなりの問題意識を持っている。データや数字に強く、見解も鋭い。

普通、知事退任後のキャリアが難しいものだが、総務大臣や野村総合研究所理事長などの要職についている。ラガージャージを着てこの選挙を戦っているところを見ると、関係各所に配慮しているのだろうし、人間関係も良好なのだろう。

声診断では「未来の理想の都市計画をとても緻密に設計できる才能にたけている」という結果だ。記事からも設計する能力にたけている点がわかる(インタビュー記事)。さらに、声診断によると「自身が信じたことを最後まで貫きとおせるタイプであり、これからの都政の抱える問題やそれを解決するための具体的な戦略などもしっかりと描かれている」とのこと。岩手県知事としてのマニフェストではかなり緻密な分析に基づいている(資料)

顔相診断では、「黒目が上まぶたで隠れ気味。自分の意思をあまり見せず、胸に秘めるタイプで、上昇志向が強い」(2016年7月19日、日刊スポーツ)とのこと。これは、増田氏とかかわりのある筆者の周りからも同様の意見が多かった。ちなみに血液型はA型。



(2)当選後の課題

自民党や都議の支援を受けていくので、つつがなく都政を進めることだろう。課題は、都民とのコミュニケーション。声診断によると「どれだけ都民の思いやニーズをひろっていけるか」が課題として示された。つまり、自分自身が正しいと思っていることと、都民の思い・気持ちをどのようにして一致させていくか?である。これだけ高まった都民の東京都庁への不信、議会への不信などをどう処理できるかが問われる。

都民の関心が高まったため、政策過程のオープンさなどが問われていくことが予想される。そうした中、岩手県でも行政評価を行っていた経験を活かせるか。顔相診断でも「投資した分の見返りには執着心が強く、お金の使い方にうるさいタイプ」(同上)ということなので、予算の執行状況などに厳しい目を光らせていけそうだ。

また、地方創生の持論を今は抑えているようなので、東京と地方のバランスをいかに埋めるのか、その思いやビジョンをいつのタイミングでどのように組み込んでいけるかは注意が必要だ(地方創生での主張を取り下げないことを期待したい)。



3 小池百合子氏



(1)分析

1971年に関西学院大を中退し、エジプトに渡る。カイロ大学で学位を取得。アメリカや欧米ではない、エジプトで、しかも現代より50年近く前のその行動力は普通ではない。その後、キャスターを経て政治家になったわけだが、キャスターとして長年活躍。一線でフリーのキャスターとして続けることがいかに難しいか。競争の激しい業界で「あのひとは今」にならなかったことは相当の能力があることを証明している。

政界に入ってからも、活躍は続く。環境大臣、防衛大臣、自民党総務会長などの要職を歴任している。しかも、政治家二世ではなく、所属政党を何度もかえ、地盤も兵庫から東京へ変わるなどあったにもかかわらず、だ。議員として要職を務めあげ、2008年は自民党総裁選にまで出馬した。総裁選に出ようとして諦めた議員は数多いが、推薦人を確保できている時点でその能力が業界で評価されていることがわかる。

特に、政党を渡り歩くことに対して、他人からいろいろ言われるのは普通だろう。状況を見て政党を渡り歩くところ、1人のボスについていかない(仁義を通しずっと子分としてついていかない、一緒に沈没しない)ところに、上昇志向の強さ、政治家としての熱い意志、機を見るに敏であることが感じられる。

ピンチをチャンスに変える力、人の心をつかむ力、時の風をつかむ能力に優れているとの関係者からの評価もあった。確かに、今回の選挙も当初逆境であったはずだが、知らないうちに形勢逆転していた。

また、先日の石原元知事の「暴言」への返しの鋭さ。キャスター経験ゆえ、わかりやすく伝える能力、相手にどのように響くかを想像する能力に優れている。最近の選挙演説では「通勤の苦労」をピックアップしているなど、相手の立場を考えて内容を修正している。相手のニーズに敏感なセンスは素晴らしい。

声診断でも「都民のニーズや傾向を汲み取る才能にたけている。演説内容も都民の心を惹きつける内容を話せる」との診断だ。「とてもエネルギッシュに都政に取組んでいけるタイプ」との診断結果もある。確かに小池候補の演説では足を止める人の割合が相対的に高かったように感じられた。

顔相診断では、「マイペースで周囲を思いやる懐の深い性格がにじみ出て」いて、「もともとは、おおらかで協調性もある。周囲に好かれるタイプ」「」(2016年7月19日、日刊スポーツ)との指摘。確かに、自民党総裁選での会見や取材でのインタビューする姿を見ていると、優しさ溢れる発言も垣間見れる。今回の東京都連との対立でも、ことさら対立を煽ったりしていない。スマートでクールに対応している。

さらに「顔の輪郭は丸みを帯びており、社交的で同時に複数のことをこなす能力にたけている」とのこと(同上)。意外な診断結果に、政治家としての可能性を感じられる。ちなみに血液型はA型。



(2)当選後の課題

都政を進めていく上で、今回対立した自民党国会議員、有力都議相手にどのように対応していくかが問われる。

課題は、ものごとを広く俯瞰して、敵や派閥を作ることなく全体をまとめあげていけるか。政治とは調整である。対立劇はショーとしては面白いが、政治は妥協や調整であり、喧嘩ではない。過去に防衛省守屋事務次官との対立などの経験もあるのでそれほど苦にしないかもしれない。説得力のある言葉を駆使し、垣間見られる優しさでいかに対立を緩和していくか。参謀に調整タイプを配置することで課題が解決する一助になるかと思われる。

以上が「人間力分析」です。

上記あくまで私の意見ですし、人生の先輩や候補者をよく知った方からは「違う」「わかっていない」との声があることも承知です。あくまで多くの政治家を現場で見てきた経験や人材育成の専門家としての意見です。

候補者のうちどなたが都知事になるにせよ、課題を意識して頑張ってもらいたいという気持ちを込めたので、その点ご理解頂けると幸いです。

繰り返しますが、特定個人を応援する目的で記載していませんので悪しからず。

西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)

最終更新:7/31(日) 6:00

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