ここから本文です

福田紀彦[川崎市長]が語るヘイトスピーチ:さまざまな差別をなくしていく第一歩

ローリングストーン日本版 7/31(日) 16:00配信

ローリングストーン日本版2016年8月号掲載
ヘイトスピーチ対処法成立~施行で何が変わるのか~

野間易通が解説、「在日特権」のウソとヘイトスピーチ

川崎市は法律の成立を受け、6月5日に予定されていたデモ主催者の男性に対して、公園の使用を許可しない決定を出した。法律の施行後、初めて具体的な判断を下した同市長が語る、その真意とは。

―成立した法案をどう評価されていますか?

ヘイトデモは、これまで川崎市内でも何度も行われていたため、僕たちも関係省庁に働きかけたりしてきた中で法整備が進んできた経緯があるんです。そのため、成立自体には、一歩前に進んだなという想いがあります。一方で、やはり理念法ですし、率直に言えば"具体的には自治体に振るということなのかな"という気持ちもありました(苦笑)

―なるほど(笑)。

ですが、ヘイトスピーチは許されないものだと、国会の意思として示されたことは大きいと思います。また、今の在日韓国・朝鮮人の方へのヘイトデモに限定した話ではなく、この国からさまざまな差別をなくしていく第一歩としても、すごく良かったとは思っています。ただ、法律ができて終わりではなく、自治体としては、今後、厳しい判断をしていく必要があるので、もう一歩でも進めて欲しいという気持ちはありますね」

福田市長「"ヘイトスピーチは許さない"という姿勢を示すことが大事だと思う」

―確かに。現場からすると、この法律では判断がすごく難しいですよね。

たとえ何とかしたいと思っても、法律の解釈が難しいので、そこは議論になっています。法律をそのまま読むと、公園使用は許可せざるを得ないのではないか、という解釈になってしまう部分もあるので。

―とはいえ、川崎市はデモ主催者の男性に対して、公園使用を不許可にしました。これはどういった判断で?

利用申請を出した方は、過去2回、在日韓国・朝鮮人が多く住む桜本地区に向かってヘイトデモをしていました。非常に厳しい判断ではありましたが、同じことを繰り返す可能性が高いということで、都市公園条例に基づき決定しました。今回、許可してしまうと、法案ができても何ひとつ変わっていないということになってしまう。それだけは避けたいという想いはありましたね。やはり市として"ヘイトスピーチは許さない"という姿勢を示すことが大事だと思うので。

―デモ側からは「表現の自由の圧迫だ」という抗議もあると思うんですが、そこに関しては?

確かに権力の乱用にもなりかねない行為ではあるので、市民の"二元代表(一方が首長)"と言われている議会の方に意見をもらいました。議会は『使用不許可にすべきだ』と一致したので、市民の総意と受け止め、私の判断を後押ししていただいた部分はあります。とはいえ、今、市役所の担当部局に抗議の電話が鳴りっぱなしという状況なんですが、表現の自由に関する内容は非常に多いですね。

1/2ページ

最終更新:7/31(日) 16:00

ローリングストーン日本版

記事提供社からのご案内(外部サイト)

RollingStone 2016年10月号

株式会社パワートゥザピープル

2016年10月号
9月10日発売

710円(税込)

表紙:トム・ヨーク
特集:IMAGE
ロック&ファッション&アート
高橋盾(UNDERCOVER)
ヒステリックグラマー 他