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「円高」なのに地合い堅調なのはなぜ? 

会社四季報オンライン 8/1(月) 20:06配信

 先週末の日銀金融政策決定会合で、ETF(上場投資信託)の買い入れ増額という追加の金融緩和が発表された。しかし、市場の反応はいま一つで、為替が大きく円高に振れたこともあって、週明けの日本市場は冴えない展開で始まった。それでも、その後は風向きが変わり、円高の割には堅調な地合いを取り戻した。

 一般的には「為替が円高に振れると株価が売られる」ということなのだが、そもそも冷静に考えてみると、円高になって利益が出る会社もあるのだから、円高=株安というように決めつけてしまうのはどうかと思う。

 もちろん、「円が安全資産として買われる」ということで、リスク回避の流れの中で株売りと円高が同時に起こることはある。また、輸出企業にとって、円高は利益が目減りすることにつながる。ただ、特に大きな影響が出る自動車メーカーなどは、円高に対する耐性がかなりできていると考えられる。

■ 「円高」なのか、「ドル安」なのか

 今回の急激な円高は「日銀の追加緩和が期待したほどではなかった」ということで円高に振れたわけではなく、「米国の利上げが遠のいた」ということでドル安になっている。円高=ドル安ではあるのだが、株式市場に与える影響としては「ドル安」ということと「円高」ということを厳密に区別してみておくとよいと思う。

 「ドル安」の場合には、「円高」であっても日本株を売る理由にはならない。なぜなら、直接的に円高で大きく業績が落ち込む企業は多くはなく、収益懸念で日本市場全体を売り急ぐ理由にはならないからだ。影響が大きい自動車株などは売られるかもしれないが、たとえばソニー <6758> のように、円高が業績にとって追い風となる企業もある。

 逆に、「円高」の場合には、先に述べたように「リスク回避」の流れもあり、「株式」のリスクが取りざたされていることになる。したがって、為替動向で収益が増加する、減少するという以前の問題で売られるため、円高メリットがあることが決して買い要因にはならない。

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最終更新:8/3(水) 11:46

会社四季報オンライン

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