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「リストリクテッド・ストック」~“攻めの経営”促す、役員報酬は自社株で 中長期の企業価値向上に効果的な譲渡制限

日本の人事部 8/2(火) 7:30配信

「リストリクテッド・ストック」(Restricted stock)とは、自社の現物株式を役員などに直接付与する株式報酬制度の一種で、一定期間の譲渡制限を設定することにより、付与対象となる役員に中長期の企業価値向上に向けたインセンティブ付けを行うしくみです。「特定譲渡制限付株式」とも言われ、株式の付与にあたっては、「中期経営計画で定めた業績目標を達成すれば譲渡できる」といった条件がつけられるため、役員に対するリテンション効果や株主目線での経営を促す効果が期待されます。政府も、“攻めの経営を促す役員報酬”として「リストリクテッド・ストック」の導入を促進し、法制度の整備などに取り組んでいます。

“攻めの経営”促す、役員報酬は自社株で 中長期の企業価値向上に効果的な譲渡制限

日本企業の役員報酬は固定報酬が中心で、欧米企業に比べると業績連動報酬や株式報酬の割合が低く、かねてから業績向上のインセンティブが効きにくい状況にありました。2015年6月から上場企業に適用された企業統治指針「コーポレートガバナンス・コード」では、経営陣の報酬について、中長期的な会社の業績などを反映させたインセンティブ付けを行うべきとの原則が明記されました。これを受け、役員の報酬に自社株報酬を活用する動きが広がっています。

労働基準法の「通貨払いの原則」により、一般の従業員については賃金として自社株を付与することはできないものの、労基法が保護の対象としない役員については、非金銭的報酬も認められています。しかしこれまでは会社法の制約で、株式を無償発行することや労務出資は認められず、自社株そのものを報酬として直接付与することはできないと考えられていたため、代わりに株式そのものを付与したのと同様の効果を持たせる株式報酬型ストックオプション(株式購入権)が普及してきました。ただ、あらかじめ決めた価格で自社株を買えるストックオプションは、株価が上昇すればいつでも売り抜けられるため、目先の株価ばかりを追うことにつながりかねないというリスクがありました。

そこで、中長期的な企業価値向上に向けた、適切なインセンティブ施策として注目されているのが「特定譲渡制限付株式」、いわゆる「リストリクテッド・ストック」です。一定期間の譲渡制限をつけた現物株式を報酬として直接交付するため、長期保有につながり、株主と同じ目線に立ちやすくなります。今年4月には、16年度の税制改正および会社法の解釈の整理を経て、経済産業省から「リストリクテッド・ストック」導入の手引きが公表されました。また、企業が現物株を支給する場合には受け手の氏名や報酬額などを開示する義務が生じますが、これを不要にする規制緩和も検討されています。

伊藤忠商事は、連結純利益が3000億円を超えたときだけに自社株を付与する役員報酬制度を9月から導入する予定です。原則として取締役退任時に付与し、在任期間を通じて企業価値を高めるように促します。横河電機では、一定の業績指標で取締役の成績を評価し、付与する株数を決める制度を今夏にもスタート。三菱地所も、付与された株式は一定期間売却できないようにし、長期的な目線での株価向上を意識するよう働きかけるとしています。

最終更新:8/2(火) 7:30

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