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「肉汁」溢れる野菜ベースの「インポッシブル・バーガー」を食べてみた

Forbes JAPAN 8/2(火) 17:00配信

人気シェフのデービッド・チャンが、チェルシーのレストランでインポッシブル・バーガー(あり得ないバーガー)――野菜ベースの血がしたたる野菜バーガー――を出すと発表。このニュースを聞いた私は、是非試してみなければと思った。



7年前、私はフォーブス誌に、インポッシブル・バーガーの生みの親である著名生物学者パット・ブラウンの紹介記事を書いた。畜産業は環境にダメージをもたらすという考えに取りつかれていた彼は、誰もが納得する代用肉をつくりたいと考えた。いつかマクドナルドが本物の牛肉を少量しか、あるいは全く使わない、それでも消費者が満足するハンバーガーを売るようになることが夢だと言っていた。

あれからブラウンは1億8,000万ドル(約184億円)の資金を調達して、スタートアップ企業インポッシブルフーズ(Impossible Foods)を設立。血液を赤くする鉄含有色素ヘムの野菜バージョンを発見した。

私はチャンの手掛けるモモフク・ニシに、ハッピーアワーが始まる午後5時45分に予約を入れた。店に着くと、外には行列ができていた。席に着くと、両隣の男性はベジタリアン。2人とも、赤身の肉の味が恋しいと言っていた。

インポッシブル・バーガーの値段は12ドル(約1,225円)。隣に座っていた、カーリーヘアでがっしり体形のヴィーガン(完全菜食主義者)の男性の元に、最初にハンバーガーが運ばれてきた。肉の味の邪魔をしないようにと、レタスとトマトを抜いてハンバーガーを食べた彼の感想は、自分が覚えているとおりの肉の味だとのこと。テーブルの端にいた別の男性(時々肉を食べるということだ)は、85%肉の味だという感想。私の反対隣りに座っていたもう1人のベジタリアンは、知人に「マクドナルドみたいな味」とメールしていた。

私は肉を控えるようにしているが、それでも週に2~3回は食べており、彼らよりは厳しい客だと思う。まだ動物の血の味に慣れている私の舌で味わった感想は――ニューヨークのガストロパブで出される分厚くてジューシーなパティよりも、レストランやシェイクシャックのハンバーガーに近い、というものだ。私はシェイクシャックのハンバーガーも好きだが、パンの分量が多くてパティが薄いハンバーガーは「肉」がそこまで感じられなかった。

それでもインポッシブル・バーガーには、野菜バーガーで味わったことのないものがあった。シェイクシャックのハンバーガーと同じように、パティの表面には加熱した脂の旨みがあった。「肉」は外側が硬く、内側はレア(鮮やかな赤色だった)でタルタルステーキよりも柔らかかった。足りないのは、加熱した本物の肉にある食感。肉のざらざらとした粒の食感だ。

食感が少し足りないことを除けば、味は肉にとても近かった。さらに説得力があったのは、肉汁がバンズに浸み込んでいたこと。豊かな肉汁は、本物以上に牛肉っぽい味がした。パンも調味料もなしで食べれば、外側の部分は本物の肉だと思うかもしれない。

モモフク・ニシでは現在、ランチとハッピーアワーのみ、インポッシブル・バーガーを提供している(なくなり次第終了)。上手いマーケティングだし、試験販売としてもいい。いずれ、もっと分厚いパティであの植物ベースの代用肉を試してみたいと思う。

インポッシブル・バーガーがハンバーガーとしての試験に合格したのは確実だ。みんなが無言で、あっという間に完食していた。それに匂いも素晴らしかった。

Matthew Herper

最終更新:8/2(火) 17:00

Forbes JAPAN

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