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社員の仕事の質と働きがいを高め、企業の業績を向上させる「働き方改革」の要諦とは(SCSK河辺 恵理氏×サイボウズ山田 理氏×一橋大学大学院守島 基博氏)【HRカンファレンス2016春】

日本の人事部 8/3(水) 7:30配信

近年、多くの企業でさまざまな働き方の改革が行われている。これは評価、育成、モチベーションなど人事の改革にもつながっているが、それを成功させるのは容易ではない。そこで、働き方改革を推し進めて成果を収めているSCSKの河辺恵理氏、サイボウズの山田理氏を迎え、一橋大学大学院の守島基博氏のファシリテーションにより、両社の取り組み事例を元に議論が行われた。

河辺氏によるプレゼンテーション:残業と有休から派生させた、SCSKの「スマチャレ」

働き方改革は、社員に活躍してもらうプロセスに対して、どう関わり、どのように取り組んでいけば良いのかが重要になる。最初にSCSKの河辺氏がポイントを語った。

「私どもはグローバルITサービス企業でして、社員はグループ全体で1万2000人、単体では約7500人、うちIT専門人材は約5900人です。2011年に旧住商情報システムと旧CSKの合併により誕生しました。これを機に、経営理念を『夢ある未来を、共に創る』と改めました。人が財産であり、社員全員の成長が企業の成長につながると考えています。合併の翌年から、トップの強い思いを受けて4年間にわたり働き方改革に取り組んできましたが、発端はIT業界を巡る課題にありました。IT業界では長時間労働が当たり前という感覚が染み付いており、システムは24時間365日稼働しているため休みづらく帰りづらいという状況、仕事の一人抱えという特徴もありました。数々の施策を行ってきましたが、最も成果が上がったのがスマートワークチャレンジ20(以下、スマチャレ)で、有休取得日数20日(100%消化)、平均残業月20時間以下を目標に掲げました。3年間進めた結果、2013年度以降有休取得が95%以上、月平均残業は昨年度18時間となりました」

この施策の大きなポイントは、削減された残業手当を100%原資とした特別ボーナスである。各部門全員の平均値が目標を達成したら部門全員に付与されるという、上長はじめ全員がプレッシャーを感じる仕組みになっている。仕掛けとして、トップから毎週全社員に向けての本気のメッセージ発信、残業時間に応じた勤怠の月次認証ルールの変更も行われた。

「成果につながったポイントは3点です。一つ目は、トップによる強い旗振りがずっとあったこと。二つ目は、組織的な取り組みでありながら全社員が対象者であったこと。三つ目は、残業削減だけでなく有給休暇をセットにしたこと。これによって、業務の共有化による相互バックアップ体制への転換が見られました。課題だった一人抱えの仕事も、この転換によって改善されたのです」

スマチャレによって派生した成果は、現場の上長のリーダーシップの発揮、組織の上司・部下間でのコミュニケーションの活性化、チームや組織で業務を今まで以上に考えて取り組むようになった姿勢といった、業務力の向上だ。これらは業務効率力・組織力・意識の向上であり、全社の組織開発につながるものだと言える。さらには、メンタル不調による休職者が減少し、有休が増えて残業が減ったのにもかかわらず、売上営業利益が増加したという実態が数字として明確に表れた。

「スマチャレの他にいくつもの施策を推進した結果、やはりワークライフバランスが全ての取り組みの中心になるということが分かりました。なぜなら、スマチャレの成果によって、他の施策への社員の反応がポジティブに変わってきたたからです。社員意識調査においても、『経営理念に対して理解をしている』『今後も働き続けたいと思う』という人が90%近くになっています。ただし、他の指標にはまだ課題がありますから、SCSK i -Universityの創設、SCSKラーニングパークの開設など育成に投資していくことによって、社員の継続的な成長、キャリア意識の向上、コミュニケーションの活性化を推進していきたいと考えています」

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最終更新:8/3(水) 7:30

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北朝鮮からの脱出
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