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老後の生活には1億円必要だが、何とかなる。 (塚崎公義 大学教授)

シェアーズカフェ・オンライン 8/3(水) 5:30配信

■「老後の生活に1億円かかる」のは本当です
60歳で定年を迎えるとして、男性は平均余命が23年あります。妻が夫より2歳年下だとすると、妻の平均余命は30年あります。家計調査(注)によれば、無職世帯の平均支出額は60代前半が月額30.8万円、65歳以上が月額27.6万円となっていますので、妻が90歳になるまでの生活費は、ほぼ1億円かかることになります。

この調査では、家計の人数が略2.5人なので、老夫婦の生活費よりは少し多くなっていますが、長生きやインフレのリスクなどを考えると、「1億円必要だ」と考えておいて間違いないでしょう。

読者の中で、定年時までに1億円貯める自信のある人は希でしょう。でも、安心してください。サラリーマンには年金、退職金、等々がありますから。実際、高齢社会白書(平成28年版)によると、経済的な暮らし向きについてのアンケートでは、心配ない、それほど心配ない、との回答が60歳以上で7割、80歳以上では8割にのぼっています。何とかなるのです。回答者のなかで、定年時に1億円持っていた人は希でしょうから、読者の多くも多分大丈夫なのです。

■70歳まで年金受給開始を待てれば、あとは年金で暮らせる計算
厚生労働省によると、夫が平均的収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)42.8 万円)で 40 年間就業し、妻がその期間すべて専業主婦であった世帯が年金を受け取り始める場合の給付水準は、221,504円となっています。

年金の受け取り開始年齢を70歳まで待つと、この金額の42%増が受け取れますから、月額31.5万円になります。これなら、老後の生活は年金だけで何とかなりそうです。

将来の年金は大丈夫なのでしょうか。日本の年金制度は、現役世代が高齢者を支える仕組みになっているので、現役世代と高齢者の比率が現在の想定よりも急激に変化すると、年金支給額が減ることになっています。

これを「マクロ経済スライド」と呼びます。厚生労働省は、様々なケースで試算をしていますが、最も悲観的なケースでも40年後に2割程度目減りする(年金のみで生活する場合の生活水準が2割程度低下する)ということなので、年金が全く受け取れなくなる、といった心配は無用なようです。

31.5万円から2割引くと、上記の高齢者の生活費である月額27.6万円には若干足りませんが、この金額は約2.5人の世帯人数に対応したものですから、老夫婦二人だけならば、何とか足りるでしょう。

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最終更新:8/3(水) 5:30

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