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久保裕也、五輪招集断念の背景。男子サッカーの特殊性。連盟間の温度差、クラブの利害

フットボールチャンネル 8/4(木) 11:15配信

 リオデジャネイロ五輪のサッカー競技が、日本時間6日の開会式に先駆けて幕を開ける。48年ぶりのメダル獲得を目指す日本は同5日午前10時にキックオフを迎える、ナイジェリアとのグループリーグ初戦に臨む。直前になってFW久保裕也(ヤングボーイズ)の招集を断念するなど、サッカー界におけるオリンピックの低い位置づけを生みだした経緯と背景をあらためて探ってみた。(取材・文:藤江直人)

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開幕まで1週間を切ったところでの派遣拒否

 サッカー界におけるオリンピックの位置づけを、あらためて見せつけられたドタバタ劇だった。ヤングボーイズ所属のFW久保裕也が、開幕が2日後に迫ったリオデジャネイロ五輪出場を断念した一件だ。

 当初の予定では、久保はブラジルへ出発した日本五輪代表が経由するロンドンで、MF南野拓実(ザルツブルク)、アーセナルとの契約のために渡英していたFW浅野拓磨とともに合流する予定だった。

 しかし、クラブ側が日本時間7月27日未明に行われる、シャフタール・ドネツク(ウクライナ)とのチャンピオンズリーグ予選3回戦ファーストレグまで帯同させたいと要望。日本サッカー協会も了承した。

 そして、シャフタール戦でスウェーデン人FWアレクサンドル・ゲルントが左ひざを負傷すると、ヤングボーイズは公式サイト上に唐突なメッセージを掲載。久保の派遣を拒否することを明らかにした。

「日本代表をオリンピック本大会出場に導いた久保が、欠場することを残念に思っている」

 同じような内容を伝えるメールはシャフタール戦後に、ヤングボーイズのフレディ・ビッケル・スポーツディレクターから日本協会の霜田正浩ナショナルチームダイレクターのもとへも届いていた。

「開幕まで1週間を切ったところで『出さない』というのは、あまりにも日本、そしてオリンピックを軽視している」

 日本協会の田嶋幸三会長は不快感を示し、霜田ダイレクターはヤングボーイズ側と交渉するために、チームが直前キャンプを行っていたブラジルから急きょスイスへと向かった。

 直談判の結果、派遣拒否から「可否を検討する」という状況まで差し戻し、霜田ダイレクターは再びブラジルへ戻った。しかし、明確な返事を得られないまま、返答期限が二度、三度と先送りされる。

 日本協会は、国際オリンピック委員会(IOC)と国際サッカー連盟(FIFA)に登録メンバー変更手続きの最終的な期限を確認。そのうえで、2日正午(日本時間3日午前零時)まで待つことを決めた。

 しかし、シャフタールとのセカンドレグに久保を出場させたいとするヤングボーイズは態度を保留。日本協会は久保の招集を断念し、バックアップメンバーのFW鈴木武蔵(アルビレックス新潟)を昇格させた。

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最終更新:8/4(木) 11:22

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