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ポケモンGOを辞めた米国人の実感 ブームは「冬」を越せるのか?

Forbes JAPAN 8/5(金) 8:00配信

米国人の筆者は先週、ポケモンGOのアプリを削除した。ポケモンを全て捕獲するというミッションに取りつかれ、ポケモンが出現した時の振動を逃さないようにスマホを握りしめて道を歩くことに嫌気がさしたのだ。



筆者は数多くのポケモンを捕獲したが、次第に同じキャラクターばかり出現するようになってからつまらなくなくなった。まだ捕獲していないピカチュウを探し求め、薄気味悪い墓場を一人で1時間さまよい、不審な目で見られて立ち去ったこともあった。レベルアップのためにより多くのポケモンを捕獲しようと頑張ったが、出現するポケモンの8割がポッポ、残り2割がスリープという具合で、相当な時間と労力をつぎ込まなければ全てのポケモンを捕獲できないことを思い知らされた。

ジムでのバトルも、相手がカイリューやギャラドスを持ったハイレベルなプレイヤーばかりで、筆者のようなカジュアルなプレイヤーは全く歯が立たない。ポケモンを進化させるアメはポケモンの種類ごとに異なり、集めるためには同じポケモンを複数捕まえなければならないが、これがなかなか難しい。筆者はフシギダネを育成して獰猛なフシギバナに進化させたかったのだが、新たなフシギダネに遭遇できず願いを適えることはできなかった。ポケモンGOは、「ほしのすな」と「アメ」を使ってポケモンを強化する方式を取り入れたことで、ペット感覚で育成する醍醐味が薄れてしまった気がする。

ゲームをより面白くするためには、ジム以外で友人同士がバトルできるようにするべきだ。開発会社のナイアンティックがこの機能を近く実装してくれることを期待しているが、これができなければ全く退屈だ。

プレイヤーの「格差」拡大問題も

ポケモンGOの課題は、熱心なプレイヤーとカジュアルなプレイヤーの格差が拡大し、どちらも早くゲーム熱が冷めて離脱する可能性が高いことだ。熱心なプレイヤーはやることが少なくなって飽きてしまい、カジュアルなプレイヤーの多くは、ジムで威圧されてやる気を失うこのゲームの最大の楽しみはポケモンのコレクションを他人と競うことであり、プレイヤーの数が減って一人で墓場をさまよっていたら、筆者のように周囲から変人扱いされるのがオチだ。

今のところ、バグやサーバーのトラブルといった障害があっても、ポケモンGOの勢いはまだ衰えていない。しかし、冬が訪れると状況は一変するかもしれない。ポケモンGOは季節的には絶好のタイミングでリリースされたが、今後雪が積もり始めると、何キロも歩いて卵を孵化させたり、コラッタを追いかけるプレイヤーはいなくなるだろう。ショッピングモールやレストラン、バスなどの中にもポケモンは潜んでいるが、屋内だけでのプレイでは面白さが半減してしまう。

キャンディークラッシュの魅力がプレイの手軽さだったのに対し、ポケモンGOは天候や身体の疲労度によって大きな影響を受ける点がこれまでのスマホゲームと大きく異なる。しかし、AR(拡張現実)ゲームの可能性に気が付いた競合ゲーム企業が今後は続々と参入してくるだろう。彼らがポケモン並みに人気のあるキャラクターを用いて、よりスムースで深いゲーム体験を提供することができれば、ポケモンGOユーザーが奪われる可能性もある。

ポケモンGOの人気の源はゲームの楽しさそのものよりも、キャラクターの人気の高さとゲームの目新しさ、それとポケモン世代が抱くノスタルジアにあると言える。その人気はいずれ廃れるかもしれないが、ARゲームのブームはまだ始まったばかりだ。

Dani Di Placido

最終更新:8/5(金) 8:00

Forbes JAPAN

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