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「おいしい=快感」となる脳の仕組みは?

JBpress 8/5(金) 6:00配信

 梅雨も明けて、いよいよ夏本番。うだるような暑さの中では、冷たい食べ物やスパイスのきいた料理をおいしく感じる。

 ところで、この「おいしい」という感覚は、体にとってどんな意味があるのだろうか。

■ 「食べてよい」すなわち「おいしい」

 おいしいと感じるともっと食べたくなる。たとえば、ダイエット中なのについ一口食べたらおいしくて止まらなくなり、後悔したという人もいることだろう。

 おいしさは舌や口の中ではなく、脳で感じられる。私たちは、嗅覚、視覚、味覚、触覚、聴覚の五感を使って、食べ物のあらゆる情報を受け取っている。脳は食べ物の情報を受け取ると、それを食べてよいか悪いか判断し、食べてよいとなれば、おいしいと感じ、食欲をわかせて必要な栄養素を摂取しようとしているのだ。一口食べるともっと食べたくなるのはそのためだ。

 おいしさを感じさせる要因には、味やにおいばかりでなく、食べ物の色や形、食べたときの食感や音など、さまざまなものが含まれる。さらに、このようなや食べ物の直接的な要因だけでなく、食べる人の体調や食べるときの環境、食文化などの間接的な要因にもおいしさは左右されている。そのために、「おいしい」とはよく使う言葉だが、実際はこの感覚はかなり複雑だ。

 おいしさは、本能的に感じるものと経験的に感じるものに大別することができる。

 疲れたときに甘いものがおいしく感じ、汗をかいたときに塩分を含むものが欲しくなるのが、本能的なおいしさだ。

 一方、子供のときには苦手だった食べ物が、大人になったらおいしく感じる、また、好物はおいしく感じるなど、食経験を重ねることでもたらされるのが経験的なおいしさだ。

 経験的なおいしさは、人それぞれで基準が異なるが、本能的なおいしさは生まれながらに感じられる共通なものである。ただし、おいしさのメカニズムは複雑で不明な点が多い。おいしさを客観的に評価することも難しいのが現状だ。

■ 味は必要・危険のシグナル

 私たちは普通、甘いものをおいしく感じ、苦いものはおいしく感じない。甘い、苦いといった味覚は、食べ物に含まれている化学物質の刺激が脳に伝えられて、識別されるものである。

 味覚は「甘味」「塩味」「旨味」「酸味」「苦味」で構成されている。このうち、甘味、塩味、旨味は、食経験のない赤ちゃんでもおいしく感じる。甘味はエネルギー源の糖、塩味は生体調節などに必要なミネラル、旨味はタンパク質のもとになるアミノ酸や核酸、それぞれに由来する。つまり、甘味、塩味、旨味は、人体に必要な栄養素の存在を知らせるシグナルとなっている。

 一方、苦味や酸味ばかりを好む人はいないし、赤ちゃんも苦味や酸味は嫌がる。腐ったものは酸っぱくなり、毒のあるものは苦いものが多いため、酸味は腐敗を、苦味は毒素の存在を知らせる味だ。これらの味は危険のシグナルになり、おいしく感じない。ただし、食経験を積んで、安全な食べ物だと認識されれば、コーヒーやビール、梅干しなどのように苦味や酸味のある食べ物もおいしく感じる。これが経験的なおいしさだ。

 つまり、味は食べてもよいのか、悪いのかを判断するためのシグナルになっている。同じように、においや色なども食べ物を判断するための重要な情報だ。人は本能的に人体に必要なものをおいしいと感じ、人体に害のあるものはおいしく感じないようになっている。おいしく感じれば、もっと食べようとするし、そうでなければ、食べるのをやめる。

 人類の歴史をさかのぼれば、食べることは命がけの行為だった。せっかくの獲物でも、毒が含まれているものを食べたら、命を落とすかもしれない。食べ物を見分けるために人類はこの能力を身につけたのだろう。

■ おいしさは食欲を刺激する

 私たちがどのようにおいしさを感じ、食欲をわかせているのかを、もう少し詳しくみてみよう。

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最終更新:8/5(金) 6:00

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