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震源地は中国とサウジ?秋に災厄が世界経済を見舞う

JBpress 8/5(金) 6:10配信

 中国人民元が国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)構成通貨に加わる時期が迫っている。2016年10月以降、SDRの通貨バスケットにおける人民元の構成比は10.92%となって円の8.33%を上回り、米ドルやユーロに次ぐ重要通貨になる。

 ところが人民元のSDR入りを控えた7月21日、米ダラス連邦準備銀行(FRBのメンバー行)は「人民元は投資家にとって安全資産にはなりえない」とする報告書を発表した。

 ダラス連銀のスタッフは、株価変動の指数と、安全通貨とされる米ドルや円、ユーロ、ポンド、スイスフランに対する人民元の相対価値を分析した。その結果、「人民元のパフォーマンスは2011年から2015年後半までは主要通貨よりも良好だったが、その後、市場のボラティリティーが高まる中で主要通貨に対する相対価値が低下した」ことが判明したという(人民元は今年に入って主要通貨に対して約3%下落)。

 経済成長の勢いに陰りが見られるとともに、人民元取引の自由化に逆行する動きが目立つ中国政府の姿勢から、「現時点で人民元が安全通貨だとの指摘は裏付けられず、人民元が安全通貨の地位に向けて前進しつつあるとの見方も疑問視される」と結論づけた。

 国際銀行間通信協会(SWIFT)の今年6月時点の発表によると、人民元の決済シェアは昨年8月にピークに達して以降、縮小傾向にあり、2014年10月以来の低水準(1.72%)となった。シェアの順位は5月と同じくカナダドルに次いで第6位である。

 IMFが人民元のSDR入りを決定したのは2015年11月30日だった。当時は「人口規模が米国の4倍以上もある中国が、経済規模で米国を上回るのは時間の問題だ。人民元が米ドルの基軸通貨としての地位を脅かす存在になる」とセンセーショナルに受け止められた。だが、今年に入り中国経済に対する悲観的な見方が支配的になったことから、人民元のSDR入りはほとんど話題に上ることはなくなった。

■ 上海株式市場が下落、資金流出も再び拡大傾向に

 中国の不動産市場は今なおバブル崩壊には至っていない。むしろ北京や上海など一部都市では既に高止まりしていた不動産価格がさらに上昇するという不可解な現象が起きている。

 今年第1四半期の不動産業界への新規融資額は1.5兆元と、過去最高水準となった(昨年第4四半期は8000億元弱)。同業界の財務体質は目を覆うばかりである。5月21日付米ウェブサイト「The Automatic Earth」によれば、30%を超える上場不動産企業が、金利負担に耐え切れず明日倒産してもおかしくない状態にあるという。

 中国の企業債務が経済成長率を大幅に上回る勢いで拡大していることを危険視する論調も高まっている。モルガンスタンレーによれば、現在の企業債務の水準は、金融危機前の住宅バブル期の米国に比べても2倍に相当し、バブル崩壊により中国の銀行が被る損失額はサブプライム危機の米国の銀行の損失額の約4倍に上ると懸念されている。

 株式市場を見ても、このところ安定していた上海株式市場が7月下旬に6週間ぶりに大幅下落した。金融当局が、リスク性の高い理財商品を通じた株式投資の抑制に動きつつある、との懸念が広がったからだ。

 中国銀行業監督管理委員会(銀監会)は、盛京銀行などの都市銀行の金融投資額の伸びが前年比100%を超えている(6月14日付ブルームバーグ)状況を踏まえ、3.6兆ドル規模にまで膨らんだ理財商品に関する商業銀行の取り扱いについて、新たな規制を策定中であることを明らかにした(7月28日付ロイター)。これに対して市場関係者の間では、「当局の規制で過度の調整が起きるのではないか」と心配する声が上がっている。

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最終更新:8/5(金) 10:25

JBpress

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