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手倉森Jのシナリオ崩したミスの連発。追いかける展開で必要だった「ボールを奪う守備」【西部の目/リオ五輪サッカー】

フットボールチャンネル 8/6(土) 11:30配信

現地時間4日、リオ五輪の初戦を迎えたU-23日本代表。手倉森監督率いるチームは、堅守を持ち味にしていたにもかかわらず、ナイジェリアを相手に5失点を喫した。4得点は明るい材料だが、事前に描いたシナリオとはまったく異なる展開になってしまったように思える。(文:西部謙司)

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日本の4ゴールはいずれも素晴らしかったが……

 どう表現するか難しいゲームだった。日本の4ゴールはいずれも素晴らしく、攻守にわたって組織的にプレーできていた。コンパクトな組織的守備でナイジェリアの個の能力を抑え、コンビネーションを生かした攻撃で得点して僅差で勝つ、それが日本のシナリオだったと思う。しかし、結果はまったく違ったものになった。

 日本の組織力はナイジェリアの個の力を制限できてはいたが完封はできていない。完封どころか5失点である。ミスがらみとはいえ、組織的に崩されていないにもかかわらず、ことごとくミスを得点に結びつけられてしまった。机上では勝てる、あるいはロースコアの僅差勝負に持ち込めるだけのプレーはしていた。にもかかわらず5失点は重い。

 失点の原因はミスである。2人で挟んでいるのに突破される、ハイクロスに被る、奪ったボールをすぐに失う、パスの距離が近すぎてカットされる……個々の事象を検証して修正する必要はあるだろう。ただ、これらは個に関係する部分なので、起きたミスを修正しても別のミスは起こりうる。

戦術的な上積みを求めるなら、ボールを奪う守備

 戦術的な上積みを求めるなら、ボールを奪う守備になる。ハーフウェイラインで待ち受ける守備は機能していた。ラインコントロールでコンパクトなブロックを作り、ナイジェリアの攻め手を縦への浮き球に絞り込めていた。ラインコントロールで藤春が遅れ気味ではあったが、そこは修正可能だろう。ただ、日本が追いかける展開において、待ち受け守備だけでは厳しかった。敵陣に踏み込んでプレッシャーをかけていく守備が足りなかった。

 縦パスのミスも多かった。ナイジェリアがさほど前からプレスしてきたわけでもないので、パスミスが続いてリズムに乗り切れなかったのはもったいない。

 攻撃では興梠の数秒のタメが効いていて、間延びせずに良い距離感を作れている。大島、南野が絡んだときのコンビネーション、SBのオーバーラップ、浅野を投入してからのスピーディーな攻め込みなど、多くのチャンスを作れていた。

 全体的には良いプレーができていて、やれることはやっている。それでも勝てなかったのはナイジェリアが強かったのか、それとも日本が想定したより五輪はずっとハイレベルなのか、次戦以降にはっきりしてくるのではないか。

(文:西部謙司)

【了】

フットボールチャンネル

最終更新:8/6(土) 12:20

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