ここから本文です

プラス思考だと仕事も失敗、給料も下がり女にもモテない! 驚愕の研究結果

HARBOR BUSINESS Online 8/6(土) 16:20配信

 日本でプラス思考が流行り始めたのは、もう20年以上も前のこと。その人気はいまだ根強く、現在でも自己啓発の世界では「ネガティブだから成功しない」や「ポジティブに考えれば人生はうまくいく」といったフレーズを目にします。

 ビジネス書の世界でも定番の考え方であり、なかには「なぜ俺はプラス思考ができないんだ……」とネガティブになってしまう人も少なくないとか。まさに本末転倒です。

 しかし、実際のところは、プラス思考だけで成功が得られるなんて美味い話はありません。ここ数年、科学の世界では「プラス思考って実はヤバいんじゃない?」というデータが増えているからです。

◆プラス思考にはこんな弊害がある!

1:プラス思考でメンタルが悪化する!

 近ごろ話題になったのが、2016年2月にヴァージニア大の研究者が出した論文です(1)。

 これは67名の男女を対象にした実験で、全員に架空のビジネスプランを立ててもらったうえで、それぞれのプラス思考レベルを採点したものです。その結果は、以下のとおりでした。

・「ビジネスがうまくいく!」というポジティブな想像をした参加者は、その直後には気分が良くなったが、1カ月後には逆にうつ状態が増加していた

・普段からプラス思考な参加者ほど長期的にはうつ状態になる確率が高く、その効果は7ヵ月後にも確認された

 どうやら、プラス思考は一時のやすらぎになるものの、長い目でみればメンタルに悪影響をもたらす可能性が高いようです。

 このような現象が起きるのは、未来に対してプラスなイメージを持ったせいで、逆に現在の自分のダメさが際立ってしまうからです。高いところから落ちたほうが、着地のダメージは大きくなるわけですね。

◆プラス思考には仕事がデキない奴も多い

2:プラス思考で給料も下がる!

 続いておもしろいのが、2012年の論文(2)です。こちらは83人の学生を対象にした実験で、全員が「いつもどれだけプラス思考を使っているか?」を調べたあと、2年後の状況とくらべたんですね。

 その結果は、さんざんなものでした。

・プラス思考な学生は出席率が低くて成績が悪かった

・プラス思考を使う学生は卒業後の求人が少なく、就職しても年収も低かった

 研究者によれば、プラス思考な学生ほどモチベーションが低く、仕事がデキない傾向が高かったとか。物事を前向きに考えるせいで、現実の問題が見えにくくなってしまうのも大きな原因のようです。

◆さらには女性からも不評を買う

3:プラス思考で女性がからモテなくなる!

 もうひとつ、2002年の研究も紹介しておきましょう(2)。こちらの実験では、恋愛中の学生103名プラス思考レベルを採点したうえで、5カ月後の経過をチェックする調査が行われました。

 その結果は、やはりプラス思考の惨敗。ポジティブな考え方の学生ほど恋に破れる確率が高く、逆にネガティブな学生ほど恋愛が成就していたのです。

 以上の話をまとめると、プラス思考で人生がうまくいくどころか、逆に仕事もプライベートも失敗してしまうことに!まったく自己啓発書の教えとは逆の結論です。

 「プラス思考」研究の権威であるガブリエル・エッティンゲン博士は、20年におよぶリサーチの結果を、こうまとめています。

『どんな角度から調べても、古い心理学や自己啓発本の考え方は間違いだとわかった。プラス思考が役に立つ場面もあるが、たんに物事をポジティブに考えるだけではダメなのだ。

 プラス思考は、あたかもすでに目標が達成されたかのような幻想を与える。その結果、目標に向かうための意欲が削がれてしまう』

 基本的に、ヒトの脳は現実とイメージを区別するのが上手くありません。そのため、プラスな考え方をすることで、脳がすでに目標をやり遂げたように思い込んでしまうわけです。

◆プラス思考はどうにもならない過酷な環境でのみ役立つ

 もっとも、すべてのプラス思考が無意味なわけではありません。エッティンゲン博士は、こうも述べています。

『プラス思考は、状況によっては大いに役に立つ。

 体重を減らしたり、タバコを止めたり、新しい仕事を得るためには使えないが、圧政的な政治に耐えたり、砂漠のような環境で生きのびたり、冤罪で捕まったときなどには多いに使うべきだ』

 つまり、プラス思考が効果を持つのは、自分の力ではコントロールが効かないような状況だけ。あくまでバンドエイドのような応急処置のために使うべきで、傷の根本的な治療には向いていません。

 それどころか、安易なプラス思考のせいで、多くの人は長期的な幸せを失っている可能性も大。自己啓発マーケットの安っぽい売り文句には、ダマされないようにしたいものです。

1.Sam Portnow, et al. “Pleasure Now, Pain Later Positive Fantasies About the Future Predict Symptoms of Depression”

2.Heather Barry Kappes, et al. “Positive fantasies predict low academic achievement in disadvantaged students”

3.Doris Mayer, et al. “The Motivating Function of Thinking About the Future:

Expectations Versus Fantasies”

<文/Yu Suzuki 写真/ぱくたそ >

月間100万PVのアンチエイジングブログ「パレオな男」(http://yuchrszk.blogspot.co.id/)管理人。「120歳まで生きること」を目標に、日々健康維持に励んでいる。アンチエイジング、トレーニング、メンタルなど多岐にわたり高度な知見を発信している。NASM®公認パーソナルトレーナー。あまりに不摂生な暮らしのせいで体を壊し、一念発起で13キロのダイエットに成功。その勢いでアンチエイジングにのめり込む。

「パレオな男」の快適ビジネスヘルスハック 第12回

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:8/6(土) 16:20

HARBOR BUSINESS Online

Yahoo!ニュースからのお知らせ