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「オフィスワーカーの食生活を向上させる!」、米スタートアップの挑戦

Forbes JAPAN 8/7(日) 11:00配信

「食」にまつわるマーケットが好調だ。関連するスタートアップも勢力を増しており、昨年だけでも、275件のディールで57億ドル(約5,770億円)を調達している。



そんなスタートアップのひとつ、バイト(Byte)は、オフィスに健康的な食品を取り揃えた自動販売機を提供する企業だ。同社のビジネスについて、創業者のミーガン・モクリCEOはこう語る。

「米国では高級スーパーで買い物をする消費者が1億5,000万人に達しているにもかかわらず、彼らの職場にある食べ物は80年代から変わっていない。新鮮な食べ物は一切なく、あるのは主にパックに入ったスナックの自動販売機。職場に新鮮な食べ物を揃えておくのに高額のコストがかかるからだ。我々はこの問題を解決する」

実際モクリによれば、施設内に新鮮な食べ物を置いていないオフィスは全体の99%にのぼる。

バイトのビジネスモデルは、オフィスで働く人々の健康をサポートする(顧客の90%がバイトの冷蔵庫により健康的なランチが食べられるようになった)だけでなく、各自然食品ブランドに、新たな流通チャネルと貴重な消費者データを提供できるところに利点がある。

バイトの冷蔵庫はいずれもRFID技術が導入されているため、利用者が冷蔵庫から商品を取り出すと自動的に課金が行われる。リアルタイムで在庫情報にアクセスすることができ、バイト側は各冷蔵庫の在庫を最適化し、また設置場所の消費者の好みに合わせて調整することができる。

食品の安全性を確保する上でも役に立つ。「全ての冷蔵庫の温度をリアルタイムで監視している。電源がオフの時や、何らかの理由で適温が保たれていない場合に、冷蔵庫をロックするなどの措置を取ることもできる」とモクリは言う。

食品と医療をつなげていく

天然素材でつくったミールシェイクを提供しているアンプル(Ample)は、クラウドファンディングサイトのインディーゴーゴー(Indiegogo)で 36万7,624ドル(約3,768万円)の資金調達に成功。わずか30時間で当初の目標だった50,000ドル(約512万円)を突破し、食品企業の キャンペーンとして史上最高額の資金を調達した。
--{健康的な食事から「予防医療」へ}--
同社のミールシェイクは、良質な材料を使った、美味しくて便利な食事だ。遺伝子組み換え食材、大豆、グルテン、砂糖や香料を使っておらず、マカダミアナッツやオーガニックの葉物野菜、サツマイモなど栄養豊富な材料が材料で、食生活に必要な栄養素を摂取できる。

だがアンプルでは自社を、単なる食品メーカーだとは考えていない。同社の創業者コナー・ヤングCEOは「我々は予防医療を提供する企業だと考えている。食べ物は私たちにとって最強の薬だ」と語る。

アンプルでは製品改良を重ね、最高の栄養を提供するために、臨床研究の実施を計画している。「これまでどこの食品会社も、自社の製品が消費者の健康にどのような影響を及ぼしているかについてのフィードバックを得ていない。生理学レベルでの結果を誰も測定していない。不健康な製品をつくっても、それが健康に及ぼす影響について責められることがない」とヤングは言う。

アンプルでは、食品会社と医療をつなぐ取り組みを実践するつもりだ。ヤングは、科学と自社製品が提供する本物の健康効果が、同社の事業の最も興奮に満ちた部分だと語る。

食品業界で存在感を発揮しようと狙うスタートアップは、消費者を遠ざけることなく競合との差別化を図らなければならない。テクノロジー分野では過激なアイデアが成功の鍵を握ることも多いが、食品は癒しと伝統が好まれる。

だから各スタートアップ企業は革新と伝統のバランスをとりつつ、現代の消費者が考える健康需要に応えなければならない。こうしたなかで一歩先を行っているのが、消費者と食品との関係を受け入れながらも、健康的で便利な食を提供するバイトやアンプル、それに食材宅配サービスのブルーエプロンのような企業だ。

Deborah Weinswig

最終更新:8/7(日) 11:00

Forbes JAPAN

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