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男性の育児休業取得率、過去最高なのにたったの2.65%なのは何故? (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)

シェアーズカフェ・オンライン 8/8(月) 6:24配信

厚労省の調査によれば、2015年度の男性の育休取得率が「過去最高」になったという。しかしながら当該取得率はたったの2.65%。思わずガクッとなってしまった。

「厚生労働省が26日発表した2015年度の雇用均等基本調査によると、男性の育児休業取得率は2.65%となり、1996年度の調査開始以来、最高となった。ただ、男性の取得率を20年度までに13%に引き上げるとする政府目標には遠く及ばず、低水準にとどまっているのが現状だ。
男性の育休取得2.65%=過去最高でも水準低く―15年度 時事通信 2016/07/26」

■育休給付金を増額すれば男性の育休取得率はアップするのか
上記記事中にある「育児休業給付金(以下、育休給付金)」とは、雇用保険の一般被保険者が、1歳(保育所等に入所できないなど、一定の場合には1歳6か月)に満たない子を養育するために育児休業をした場合に、一定の要件を満たすと支給されるものだ。

具体的には、休業開始時賃金日額(原則として、育児休業開始前6か月間の賃金を180日で割った額)×支給日数×67%(休業開始から6か月経過後は50%)の額が支給される。

支給期間は、父が休業した場合1年間。母が休業した場合、出生日(産前休業の末日)と産後休業期間と育児休業を取得できる期間を合わせて1年間が上限(保育所等に入所できない等により、子が1歳6か月に達するまで育児休業をする場合には、一定の要件を満たすと、子が1歳6か月に達する日の前日までの期間)だ。

上記に加え、健康保険料・厚生年金保険料が産前産後休業中、育児休業中は申し出により支払いが免除され、雇用保険料が産前産後休業中、育児休業中、介護休業中に勤務先から給与が支給されない場合は、保険料負担はない。加えて所得税は育児休業給付について非課税のため、育休給付金から所得税及び復興特別所得税は、差し引かれない等の優遇措置がある(厚生労働省・都道府県労働局「平成27年度 育児休業や介護休業をする方を経済的に支援します」)。 

給与上・税法上の計算は煩雑であるため、あくまで概算となるが、仮に男性労働者が育休を取得するとして、育休前の平均月額給与が30万円だと仮定すると、上述の計算式にて、育休給付金日額は6,700円となり、育休取得日数を180日(6月)とすれば、育休給付金総額はおよそ120万円となる。

育休給付金の支給率は、現在の67%に引き上げられる前(平成26年3月まで)は50%であったが、それをベースに上記の概算をすれば、同じく180日の育休取得で給付金総額は90万円となり、その差額は30万円(1月あたり5万円)だ。

勿論1月5万円の価値は家庭により異なるし、パーセンテージの設定次第で差額は流動的となる。加えて前述のとおり各種税金等に関する優遇措置もあるため、上記のように概算値による議論は乱暴であろう。

しかし、仮にあなたが男性ビジネスマンだとして、この差額を見て「よし、これだけ得をするならば育休をとってみよう!」と即決するだろうか。それよりも、「上司になんていわれるだろう」とか「自分の戻る椅子はあるだろうか」等の心配が先んじて頭をよぎるのではなかろうか。

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最終更新:8/8(月) 8:28

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