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【リオ五輪】“秘蔵っ子”矢島の原点回帰論。「ここからがチームの見せどころ」

SOCCER DIGEST Web 8/8(月) 6:30配信

「日本は勝って当たり前じゃなく、常に全力を出さないといけない」

 夢だった五輪の舞台は、矢島慎也にとってほろ苦いスタートとなった。ナイジェリア戦、ピッチに立った時点でスコアは3-5。5点を奪われたなかで途中出場するのは初めての経験だった。「もったいなかった」。試合後の選手たちの大半は、自分たちのミスさえなければという想いもあってだろうか、失点をそう振り返ったが、矢島の見解は少し異なる。

【リオ五輪PHOTO】コロンビア戦前日練習



「ミスが多かったし、それが失点につながっていた。“もったいない失点”と言えばもったいない失点ですけど、それが2回、3回も続くと、もったいないではなく、これが自分たちの力なんじゃないかなと。崩されたというよりは個々のところで負けていたし、失点してはいけない時間帯にゴールを奪われている。もったいない失点で片付けるとあまり良くないと思います」
 
 5月のトゥーロン国際大会で、「先に失点してはいけない」「イージーミスは失点につながる」と身を持って学んだはずだった。だからこそ、その経験を生かせなかった悔しさがある。コロンビア戦では、同じ轍を踏むわけにはいかない。
 
「海外のチームのほうがゲーム運びは上手いところがある。そういう意味では、トゥーロンの経験がナイジェリア戦に限っては生かされなかった。世界では、相手のミスを得点につなげてくるので、コロンビア戦では絶対にイージーミスをしてはいけない」
 
 前日練習(冒頭15分以外非公開)では、4-4-2でフォーメーション確認が行なわれた。そのことを矢島に問うと、監督の意図を汲みとるようにシステム変更の狙いを語っていく。
 
「おそらく、守備をもう一回やり直すべきだということでフォーメーションを変えるんだと思います。4-4-2に変えて、“自分たちのやり方”で失点を抑えるのが狙いかなと」
 
 矢島は「みんな上手い」と話すコロンビアの中でも、2トップのテオフィロ・グティエレスやミゲル・ボルハ、攻撃の起点を担うドルラン・パボンらを「乗らせたら怖い」と警戒する。
 
「テグさん(手倉森監督)も言っていますが、日本は勝って当たり前じゃなく、常に全力を出さないといけない。どの国も強いと思っているし、一戦一戦やるしかない状況が初戦に負けてさらにできた。ここからが『チームの見せどころ』だと思います」
 
 ここからがチームの見せどころ――。それは手倉森監督の「逆境に立っていることがこのチームの普通」という言葉とも通ずる。後がない状況で指揮官の“秘蔵っ子”はどんなプレーを見せるのか、期待は高まる。

取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト特派)

最終更新:8/8(月) 7:53

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