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僕らはブラックホールの周りを回りながら暮らしてる

JBpress 8/8(月) 6:00配信

 まずは、私たちの住む天の川銀河の中心部を捉えた、以下のアニメーションをご覧ください。 これは想像図ではなく、何年にもおよぶ観測に基づくものです。動いている光点は恒星で、それぞれが私たちの太陽のような立派な星です。そういう恒星が、まるでちっぽけな惑星のように振り回され、楕円軌道を描いています。 ところがその重力中心(画面の中央の☆印の部分)には何も見えません。真っ暗です。そこには、太陽質量の400万倍の巨大ブラックホールが存在するのです。

アニメーションの画像はこちらから(JBpressのサイトへ)

 今回は、私たちに最も近いこの巨大ブラックホールについて、今年の7月に発表されたばかりの最新の結果を踏まえて紹介しましょう。

■ あの銀河もこの銀河も巨大ブラックホールを抱えてるんだ! 

 銀河とは、恒星が何百億、何千億も集まった群れです。恒星とは私たちの太陽のような巨大な星なので、それが何百億も集まってできている銀河は、想像するのも難しい巨大な「物体」です。そういう銀河が宇宙には無数に浮いているのです。

 そういう銀河を観測してみると、中心部が異常に輝いているものが見つかります。銀河に属する恒星のエネルギーを全部合わせたくらいのエネルギーが、中心の一点から放射されているのです。そういう、「クエーサー」とか「活動銀河核」などと呼ばれる銀河の中心部には何があるのでしょう。普通の天体現象では説明できません。

 研究者は、そういう銀河の中心部には巨大なブラックホールがあるのだろうと推測しました。ブラックホールにガスなどが落下する際、ガスが超高温に熱せられて明るく輝くというシナリオです。

 ブラックホールは、重力が強すぎて光さえも脱出できない異常な天体です。あまりに異常で常識外れな存在なので、信じられないという人も大勢いました。しかし、巨大ブラックホール以外に、銀河の中心部を強く輝かせるモノは思いつかないので、否定していた人も渋々その存在を受け入れていきました。

■ すると天の川銀河にも巨大ブラックホールが!? 

 さて、宇宙に浮かぶ無数の銀河の中には、巨大ブラックホールを有するものがあるようですが、それでは私たちの住んでいる天の川銀河はどうでしょう。

 「天の川銀河(あまのがわぎんが)」は、私たちの太陽が所属する銀河で、1000億個もの恒星が集まった結構立派な銀河です。私たちは天の川銀河の中に住んでいるのです。

 私たちのいるところは、中心部から2万5600光年ほど離れているので、中心部の方角を眺めると、明るい星の集団「天の川」が見えます(写真は大西浩次氏に御提供いただきました)。郊外から繁華街を眺めるようなものです。

 さて、この天の川銀河の中心にも、そういう巨大ブラックホールが1匹いるのでしょうか。

 天の川銀河の中心部、いて座の方角のA*(エースター)と名づけられた箇所に、もし巨大ブラックホールがいるとしても、現在はガスを飲み込んで光ってはいないようです。

 それ以上のことは、天の川銀河中心のような遠方を高分解能で観測するすべがないので、長いこと不明でした。巨大望遠鏡と補償光学技術が進歩するまでは。

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最終更新:8/8(月) 6:00

JBpress

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