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第二次世界大戦の「学徒動員」とはなにか。~工場で兵器を作っていた高校生たちについて~(中泉拓也 関東学院大学 経済学部教授)

シェアーズカフェ・オンライン 8/9(火) 5:37配信

戦後70年という節目の年だった昨年に比べ、オリンピック開催中もあって、今年の終戦記念日は特別に取り上げられている印象はありません。しかしながら、5月のオバマ大統領の広島訪問、昨日(8月8日)の生前退位へのご意向を強く暗示された、天皇陛下のお気持ちの表明という歴史的な出来事が続いたことを振り返ると、今年も歴史的な年となることは間違いありません。

昨年、鈴木光男先生から頂いた「学徒勤労動員の日々―相模陸軍造兵廠と地下病院建設」の書評を執筆し、戦後70年の節目の年に、津田大介さんのメルマガ「メディアの現場」2015.12.25(vol.194)に【特別寄稿】として掲載させていただきました。

学徒勤労動員の記録を後世に残したいという思いは今年も変わりません。終戦記念日が近づいてきた折、改めて学徒勤労動員という今の常識では考えられない戦時中の中高生の工場動員の記録について紹介したと思います。

戦時中は、「学徒出陣」のように、大学生が戦地へ出陣しただけでなく、旧制中学の学生(現在の高校生)が工場での武器生産の労働に動員されていました。後者を「学徒勤労動員」といいます。

私の専門分野である、ゲーム理論の先駆者にあたる東京工業大 学名誉教授鈴木光男先生は、実際に旧制高校で「学徒勤労動員」として従事されていました。その時の記録をもとに、「学徒勤労動員の日々―相模陸軍造兵廠と地下病院建設 」を執筆されました。

「学徒勤労動員」の記録。ここには過酷な戦時中の重労働の体験のみならず、その後の繁栄の礎をも見ることができた私は、この記録をぜひとも後世に伝えたいと思うのです。

■1. ゲーム理論との接点
私の専門は経済学、その中でもゲーム理論を基礎とした規制や企業組織のインセンティブ設計の研究で、決して戦中戦後の経済史に造詣があるわけではありません。ゲーム理論は、フォンノイマン=モルゲンシュテルンの著書、「ゲームの理論と経済行動 (1944年原著刊行)」からはじまり、ジョン・ナッシュの論文(1950年)でその後の発展が決定的となります。

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最終更新:8/9(火) 5:37

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