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少子高齢化による労働力不足で日本経済は復活する。 (塚崎公義 大学教授)

シェアーズカフェ・オンライン 8/9(火) 5:53配信

少子高齢化というと、労働力が不足する、年金が破綻する、財政が破綻する、日本経済が人口減少で衰退していく、といった悪い印象が強いのですが、筆者は全く逆に「少子高齢化による労働力不足で日本経済の黄金時代が来る」と考えています。今回は、今後10年程度の日本経済について、考えてみましょう。

以下を読んで「非常識だ」と考える読者は多いでしょうが、そこで止めずに「どこが間違っているのだろう?」と考えてみて下さい。きっと有益な頭の体操をお楽しみいただけると思います。それだけでも筆者としては、お役に立てて光栄ですが、結果として、読者が筆者の誤りを指摘できずに、筆者に賛同していただければ、更に幸いです(笑)。

■バブル崩壊後の諸問題の根源は失業問題だった
バブル期までは、日本人が勤勉に働いて倹約に努めたため、多くの物が生産され、多くの物が残り、おかげで工場やオフィスビルなどを建てる事ができました。しかし、バブル崩壊後、工場やオフィスビルなどの需要が落ち込むと、物が余るようになりました。

余った物を輸出すると貿易摩擦が激化するほか、円高ドル安を招くので、際限なく輸出を増やすわけにも行きません。そこで企業は生産を絞り、失業者が増えました。失業者が不幸であったのは当然ですが、それ以外にも失業は多くの問題を引き起こしました。

失業者が多いために(労働力の需給が緩いために)、賃金が下がり気味で推移し、消費が落ち込みました。企業は、人件費コストが下がった一方で売れ行きが悪化したので、値下げ競争を繰り広げ、日本経済はデフレになりました。デフレになると、人々が「待っていれば安くなる」と考えて買い控えをするので(実質金利が高くなるので、と言い換えても構いません)、一層物が売れなくなり、一層のデフレになるという悪循環(デフレ・スパイラル)に陥りました。

■ワーキング・プアも財政赤字も、失業問題に起因していた
ゼロ成長時代を迎えた企業は、一度余剰労働力を抱えてしまうとずっと余剰を抱え続けるというリスクが高まりました。一方で、失業者が多いので、企業は必要な時に必要な労働力を調達出来るようになりました。そこで、終身雇用によって労働力を囲い込む必要が無くなり、正社員を非正規社員で置き換えるようになりました。

それにより、学校を卒業しても正社員になれずに非正規社員として生計を立てる「ワーキング・プア」が増えました。ワーキング・プアは、結婚したり子供を産んだりする事が難しいので、ワーキング・プアの増加が少子化の一因となったとも言われています。

また、「会社を辞めれば失業だ」という恐怖心からブラック企業の社員が辞表を出せず、ブラック企業が増えて行きました。

財政赤字が増えた主因も、失業の増加です。失業対策としての公共投資が増えた事は勿論ですが、景気の悪化で税収が落ち込んだことも痛手でした。更には、増税や歳出カットを検討すると「そんなことをしたら失業が更に増えてしまう」という反対論が強く、なかなか実行できませんでしたし、実際に実行して失業者が増え、かえって財政赤字が増えた事もありました。「景気は税収という金の卵を産む鶏」なので、殺してしまわないように、慎重に扱わなくてはならないのです。

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最終更新:8/9(火) 5:53

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