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「毎朝、あなたの財布にはまっさらな24時間が詰まっている」。人生が変わる「24時間」の使い方とは?

ダ・ヴィンチニュース 8/9(火) 6:30配信

 自分の人生、仕事ばっかりじゃ物足りない。余暇の時間を充実させたい。だけど仕事が終わり家に帰って来たら、疲れていて、飯食って寝るだけ……。休日は特にすることもないので、家でグダグダしてしまう。そんな日々を送っていて、どこか焦燥感を感じている人、結構いるんじゃないかと思う。

 しかし、一日は24時間あるのだ。24時間「も」と思うか、「しかない」と感じるかは、考え方次第なのだ。

朝目覚める。するとあなたの財布にはまっさらな24時間がぎっしり詰まっている。

人間というものは、貧乏人でも金持ちでも、とにかく一日24時間しかない。

『自分の時間 1日24時間でどう生きるか』(アーノルド・ベネット:著、渡部昇一:訳・解説/三笠書房)はそんな当たり前のことを改めて突き付けることで、読者をハッとさせ、「日常生活の質を高める具体的なヒント」を与えてくれる一冊だ。

 本書の出版時期は定かではないが、1908~1920年の間と言われている。著者のアーノルド・ベネットは20世紀最大のイギリスを代表する小説家だ。やや古い時代に書かれた小説家の自己啓発書という異色な一冊だが、現在まで多くの人の共感を生み、読まれ続けている。その理由は一体何なのだろうか。

 まず、著者は「仕事だけでは満たされない『知的好奇心』をどう満たすか」に言及している。この欲求は精神的に成熟した人たちに共通するもので、「何かを始めたいのに始めていない」という焦りの感情を生じさせ、「いつまでも心の平穏を得られない」と述べている。

 そして「もっと時間があれば」と願うのは「言い訳」だと著者はバッサリ。では、どうやって時間を作るのか。その具体的な方法を紹介している。

■頭の中に「内なる一日」をつくる

 一日の「すべきことをしている時間」の他に、もう一日「知的好奇心を満たすために使える時間」を設定する。例えば朝10時から夕方6時までの勤務時間があるとして、その勤務時間の前の10時間と後の6時間(=合計16時間)を「給料を稼ぐ必要がない自由な一日」と考えるのだ。

 もちろん、通勤時間や、睡眠・食事の時間(人によっては残業)もあるので、丸々16時間が自由な時間とは思いにくいかもしれないが、この大切な16時間を「勤務時間のプロローグとエピローグに過ぎない」という認識を改めることが重要なのだとか。大切にすべきは、勤務時間ではなく「内なる一日」(自由な16時間)なのだ。

■週3回の夜90分が、あなたの心を豊かにする

 著者は断言する。仕事から帰って来て「疲れている」というのは勘違いだと。これは夕方6時に仕事が終わり、通勤50分前後で自宅に帰って来て、夕食の準備も必要のない人を想定しているように読めるので、もちろん、現代人(特に働き過ぎの日本人)は、超過労働で本当に疲れている人もいるだろう。

 だが、「疲れている」ことばかり主張しても仕方がない。そこで著者は、「ひと晩おきに一時間半、何か精神の向上になるような意義のあることを、継続してやってみてはどうだろうか」と述べている。

「明日も仕事か~、嫌だなぁ」とグダグダしてテレビを観ながら、「寝られないからビールでも飲むか」と晩酌している時間を、「読書」や「哲学」「芸術」に関する「学び」の時間にしてみるのだ。これは簡単なことではない。著者も「週3の90分だけならできるでしょ?」と楽観視しているわけではない。継続し、習慣化するには「何らかの犠牲と、強固な意志の力が必要」と述べている。楽して「習慣の改善」はできないのだ。

■「内省的な気分」を大切にする

 ともあれ、勉強したいことはないし、無理矢理学ぼうとしても、継続できるとは思えない。はたまた、仕事で疲れていてそう思えない、という人には、せめて「自分の人生を振り返る時間」(=内省的な気分)を努めて作ってほしいと思う。

「自分の生活信条と、実際の行動の関係など本当に大切な問題について、自分というものを見つめることをしていない」と、真の幸福を手に入れることができないからだ。

「幸福とは肉体的、精神的快楽を得ることにあるのではなく、理性を豊かにし、自らの生活信条にかなった生き方をするところにある」と著者は述べる。そのために、自己を振り返ってみることが大切なのだ。著者は帰りの通勤時間を、その時間に充ててみてはどうかと推奨している。

 誰しも24時間しか持っていない。その時間内で、すべきことを明確にしてくれる。そんな一冊だった。

文=雨野裾

最終更新:8/9(火) 6:30

ダ・ヴィンチニュース

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