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今年上半期のプレミアムカー販売台数でメルセデス・ベンツが11年ぶりに首位に

HARBOR BUSINESS Online 8/9(火) 9:10配信

 世界で車種を幅広く揃えたプレミアムカーのメーカーと言えばメルセデス・ベンツ、BMW、AUDIの3社である。この3社の中で世界の販売台数においてBMWが2005年からトップの座を独占して来た。しかし、今年上半期の実績は11年振りにメルセデス・ベンツがBMWを抜いたのである。その実績を以下に紹介する。(参照:「Drigentes Digital」)

メルセデス・ベンツ:1,043,273台

BMW:986,557台

AUDI:953,218台

 メルセデス・ベンツは今年に入って第1四半期で既に13%の伸びを見せて483,487台を販売し、一方のBMWは6%の伸びに留まり478,743台の販売であった。AUDIは4%の伸びで455,750台であった。(参照「Cinco Dias」)

◆ベンツのセールス好調の鍵は?

 メルセデス・ベンツはBMWを販売台数で追い抜く目標を2020年に定めていたという。まだ上半期だけの販売実績であるが、もしこのまま行けばBMWを抜くという事実を4年早めて達成したことになる。この業績達成に貢献したのは同社のSUV(スポーツ用多目的車)の販売が非常に好調であったということである。なんと、44%の販売伸展を見せたのであった。更に、同社のコンパクトカーが26%の販売伸展を見せたことも成績好調の要因としてある。

 一方のBMWはそれに対抗する意味で、近い将来イノベーションされて市場に現れる車種はセダン5シリーズである。しかし、それを来年まで待たねばならないというハンデを背負っている。その上に、メルセデス・ベンツのSUV車のような販売を牽引するのに機関車的な車種があっても、その貢献度が充分でないことと、7シリーズがベンツのSクラスを前に販売で難儀しているという事実である。それがライバル社に販売でNo.1のポストを譲ったという事実に繋がったのだ。

 例えば、ベンツのSクラス Maybachは〈中国で僅かひと月に500台販売した〉という記録もつくった。(参照「El Mundo」)。

◆BMWが狙う「その先」は?

 10年間プレミアムカーの販売台数でトップの座を保っていたBMWはここに来て、今年の世界での販売台数でその座をメルセデス・ベンツに明け渡す可能性が強くなっている。しかし、BMWは車の将来の発展性には電気自動車と運転手のいない車の開発に邁進しているという。

 テスラ・モーターズとウーバー・テクノロジーズに対抗して、BMWはインテルとモービルアイと協力してこの分野の開発を進めている。

 勿論、そこには飛行機のエンジンメーカーであったBMWの独自の拘った車をつくる為に開発に多額の投資が必要とされている。その為には、目先の販売台数の実績維持に拘って、現在市場で横行している割引を実践して行く販売戦術は拒否して行くというのがBMWのポリシーであるという。その意味ではBMWはメルセデス・ベンツに販売台数で1位の座を譲ることには抵抗はないようだ。

 ちなみに、トヨタのレクサスはヨーロッパでも販売が伸びているのが、いまだプレミアムカーとして評価されるまでにはなっていない。準プレミアムカーという扱いを脱して3強に食い込める日は来るのだろうか?

<文/白石和幸>

しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:8/9(火) 9:10

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