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大学病院が危ない!

Business Journal 8/10(水) 6:01配信

 群馬大学医学部附属病院で腹腔鏡手術による死亡事故が相次いだ問題で、7月30日、外部委員による事故調査委員会が最終報告書を提出した。

 2007年以降に群大病院での肝胆膵分野の手術では64人が術後に死亡していたことが判明。そのうち30人は、今回問題となった元助教の男性医師(A医師、15年に退職済み)による執刀だった。

 群大はA医師と上司に当たる教授を解雇処分にした。背景には国立大学病院の経営重視の姿勢、医局間の対立、手術が下手でも教授になれるというアカデミズムの慣習など、根深い医療界の悪弊が複合的に絡み合っていたことが明らかになった。

 調査報告書では、国立大学が独立行政法人化されて以降、赤字部門だった医学部附属病院でも採算性を確保すべく、「手術数増加が院是」となっていたと指摘。調査委員会の委員長を務めた上田裕一・奈良県総合医療センター総長も「この状況でよく勤務が続いたなと思うくらい過重な勤務体制だった」と嘆息するほど、手術数増加のためのプレッシャーが強かったとみられる。

 さらに、群大独特の問題として「医局」間の対立があった。群大の外科には旧第一と旧第二と呼ばれる2つがあり、両者がほとんど同じ領域を担当していたにもかかわらず、情報交換や人事上の交流はほとんどなかった。

 歴史の古い旧第一は、教授がさらに格上の大学に転任することが多く、学内では主流派だった。今回問題を起こした旧第二は、人数も少なく、「旧第二外科は、先行する旧第一外科に負けないでがんばろうとしたのかもしれない」(田村遵一病院長)という。

 実際、07~14年の間、肝胆膵分野の医師数は旧第一の3~6人に対して、旧第二は1~2人しかいなかったが、手術数では旧第一の589件に匹敵する573件を旧第二は行っていた。

 そうした構造的な問題の上に、執刀医の属人的な問題が重なった。A医師の手術について、専門的に検証した日本外科学会の報告では、「出血量が多い」「残すべき肝臓の脈管を損傷している」「手技が安定しているとは言いがたい」など、簡単に言えば「下手」だったと厳しく指摘している。しかも、カルテや患者への説明が常に不十分で、内部でも再三問題視され、注意されていたが一向に直らなかった。

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最終更新:8/10(水) 6:01

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