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イチローだけじゃない! アスリート「V字回復」列伝

R25 8/11(木) 7:00配信

メジャーリーグ・マーリンズに所属するイチローが、ついにメジャー通算3000本安打を達成! その活躍を見ていて驚かされるのは、今季の“V字回復”ぶりだ。昨季はメジャー移籍後最低となる打率.229を記録。「もう引退すべき」という声もあったなか、今シーズンは打数が限られているとはいえ、打率3割を軽々と超え、守備でも好プレーを続けている。

今も昔も、アスリートの“復活劇”はファンを喜ばせる。ここ最近の事例で特に印象的な「V字回復劇」を3タイプに分け、考察してみたい。

◎心機一転! 「移籍がキッカケ」組

メジャーを沸かせる復活男がイチローなら、日本球界を沸かせる復活男が広島の新井貴浩だ。

2年前の阪神退団時は、半ば戦力外のような扱いだった新井。ところが、広島移籍後は4番も務める活躍ぶり。通算2000本安打と300本塁打を達成した今季は打率.324(8月8日時点、数字は以下同)、打点はリーグ2位タイ。独走・広島の立役者の一人となっている。

新井復活劇のひとつの要因は、恥も外聞もかなぐり捨てて古巣・広島に復帰したからこそ生まれた「覚悟」だろう。今季はじめのインタビューでは「ぎりぎりまで、自分をガンガン追い込んで、それでケガをしてしまったら仕方がない、というぐらいの気持ちで練習に取り組んだ」とコメント。追いこんだトレーニングの成果が結果となって表れた形だ。

Jリーグ得点王、川崎フロンターレの大久保嘉人も移籍をキッカケに復活を果たした。2010年、南アフリカW杯でベスト16進出の立役者となった大久保。ただ、このとき所属していた神戸では4年連続ひと桁得点。“選手としてのピークは終わった”と言われることもあった。ところが、2013年に川崎に移籍すると、そこからJリーグ史上初の3年連続得点王。今、日本人ストライカーでもっとも頼りになる男へとV字回復を遂げている。

この変化について、かつてインタビューで「迷うことをやめた」とコメント。ゲームメイクを任されることもあった神戸時代のプレーから、純粋にFWとしてのプレーに集中することでつかんだ得点王だった。

◎以前より能力向上のパターンも? 「ケガを克服」組

医療技術の進歩によって、年々増えているのが大ケガを克服しての復活劇。最近ではヤクルト・由規が右肩手術を乗り越え、神宮で1797日ぶりの勝利を挙げたことがニュースになった。ただ、ケガ以前よりも優れた成績を残した事例はそれほど多くはない。

そんななか、大ケガがキッカケとなって能力を向上させたのがフィギュアスケートの高橋大輔。2008年秋に前十字靭帯と半月板を損傷してしまうが、「手術後、きちんとリハビリをすれば、今よりずっといい動きができるようになるよ」という医師の言葉を信じて手術に踏み切ると、リハビリの一環として弱点だった体の硬さを克服すべく、股関節回りを柔らかくし、足首の可動域を広げるトレーニングを導入。演技に幅が生まれただけでなく、「世界一のステップ」と称されるステップ技術の向上にもつながった。その結果、2010年のバンクーバー五輪では銅メダル。同年の世界選手権ではアジア人初の世界チャンピオンとなった。

今季のプロ野球で復活劇を演じているのがソフトバンクの和田 毅。メジャー挑戦初年度(2012年)のキャンプ中に左ヒジ痛を発症し、靭帯の部分断裂でトミー・ジョン手術を受けた。メジャー初登板まで2年もの月日を要し、思うような成績を残せなかったが、今季から日本球界に復帰すると最多勝争いを演じる大活躍。ケガ&移籍キッカケのハイブリッド型ともいえる。あるインタビューでは「新しい投球術を身につけておけば、選手寿命は延びると思っています」と自身の変化について言及。肩や肘の不安も考慮し、プレートを踏む位置を見直すといった工夫が功を奏しているという。

◎復帰して金メダル獲得も! 「休養・引退から復活」組

3連覇の絶頂期に現役引退し、復帰してからまた3連覇を果たしたバスケの神様、マイケル・ジョーダン。日本人であればクルム伊達公子など、「引退からのV字回復」もドラマの宝庫だ。

ロンドン五輪・女子レスリング48kg級で金メダルを獲得した小原日登美もその一人。女子51kg級で世界選手権優勝6回という強さを誇りながら、階級制度が異なる五輪では絶対女王・吉田沙保里の後塵を拝し、一度も出場の機会に恵まれなかった。2008年の世界選手権優勝を最後に一度は現役を引退して指導者に転身していたが、2009年に現役復帰。48kg級に階級を変え、2012年のロンドン五輪に初出場。見事に金メダルを獲得した。

ほかにも、低迷期を乗り越え、昨年の世界選手権と今回のリオデジャネイロオリンピックで金メダルを獲得した男子体操団体なども見事なV字復活劇。世界に「お家芸復活」を印象づける見事な演技だった。

(オグマナオト)

(R25編集部)

※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびR25から一部抜粋したものです
※一部のコラムを除き、R25では図・表・写真付きのコラムを掲載しております

最終更新:8/11(木) 7:00

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