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アメリカは織田信長で止まっている国②<アメリカ大統領は征夷大将軍だ!>

BEST TIMES 8/11(木) 6:00配信

嫌でも日本に大きな影響を与えるアメリカ大統領選挙。 今、アメリカでは何が起きているのか? そもそも大統領選挙とはどういうものなのか? 主要なアメリカ大統領を採点しながら、日米史を振り返る、絶賛発売中の『大間違いのアメリカ合衆国』。その中でも基本的なアメリカの国体を倉山先生に斬っていただきます。今回は、アメリカは織田信長で止まっている国(1)<アメリカ人の世界観>ナマハゲはアメリカでは撃ち殺される!? の続編です。

FBIは火付盗賊改方みたいなもの

 アメリカの統治機構は「織田信長が幕府を開くとこうなる」と書きましたが、実際、アメリカ連邦政府の役職に江戸幕府のそれを当てはめるとしっくりきてしまうのです。

 行政府の長で軍の最高司令官である大統領は「征夷大将軍」。

 州の垣根を越えてテロ対策や銀行強盗などの捜査を担当するFBIは、関東全域にわたり天領・旗本領・大名領の関係なく火付けと盗賊を取り締まった関八州火付盗賊改方(かんはっしゅうひつけとうぞくあらためかた)にならい、「全米五十州火付盗賊改方」。

 各州の代表である上院議員というのはさしずめ、幕府の要職に就任する資格のある譜代大名が集まった「帝鑑間詰大名」(ていかんのまづめだいみょう)といったところでしょうか。

 こんな調子で財務長官は「勘定奉行」、国務長官は「外国奉行」といった感じで続けてもいいのですが、これくらいにしておきましょう。

 統治機構(昔の言葉だと上部構造)は、言ってしまえば江戸幕府と同じです。しかし、社会構造(下部構造)は織田信長の時代のままです。

各州を地方の大名に置き換えるとわかりやすい

 なぜ、織田信長で止まっている国なのかと言うと、アメリカ人は国際法と連邦法の区別が分からないのです。それどころか、法律が国全体に行きわたっていません。

 大統領は国家元首でありながら、実際の権力はそんなに強くありません。征夷大将軍が、宿老全員の同意に逆らうことができないのと同様、アメリカ大統領は議会の三分の二が敵対的になったら何もできません。州はそれぞれの地方で独立性が強いのでさらに介入できません。

 このあたり、同じ征夷大将軍と言っても、室町幕府の方が近いかもしれません。地方の大名が好き勝手やっていて、宿老全員が結束すれば何一つ意思を通せない。
    ただし、いざ戦になれば、兵馬の大権を持つ征夷大将軍が独裁権を発揮し、皆は付き従うのみ。しばしば「アメリカ大統領の唯一の仕事は戦争」と言われるのですが、雰囲気は室町将軍に似ています。

『大間違いのアメリカ合衆国』より抜粋 

明日は、アメリカは織田信長で止まっている国(3) <アメリカは未だ天下統一ならず>です。

文/倉山 満

最終更新:8/11(木) 6:00

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