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このタイミングでスバルが歩行者保護にこだわる理由

JBpress 8/11(木) 6:10配信

 スバル(富士重工業)は7月26日、今秋に発売予定の新型「インプレッサ」の国内仕様車を初公開した。

 注目されるのは、日系メーカーでは初となる歩行者保護エアバッグの採用だ。

 これは、歩行者などと衝突した際、フロントガラス下部にエアバッグが広がり、歩行者の頭部の衝撃を軽減するもの。スウェーデンのボルボが2013年に採用したのが世界で最初とされている。スバルの場合はボルボと違いエアバッグがボンネットを押し上げないため、発火装置の数を軽減するなどコストを抑え、大衆車「インプレッサ」での標準装備を実現した。

 また、今回のフルモデルチェンジを受け、「ぶつからないクルマ?」のCMでお馴染みの「アイサイト」(ver.3)を標準装備とする。現行「インプレッサ」では一部のモデルのみに装備されている。

 こうしたスバルの事業戦略は中期経営戦略「際立とう2020」に準じるものだが、「歩行者保護」という観点では、今年2016年、さらに2年後の2018年の動きがカギとなる。

■ 欧州での販売を左右するユーロNCAPの評価

 自動車の歩行者保護機能を開発する際、大きなハードルとなるのが歩行者の認識だ。歩行者は車両などの障害物と違って高さや幅などに差があり、またクルマの進行方向に対して横方向に動くため、的確に認識することが難しい。

 衝突時の歩行者保護について、日本では独立行政法人「自動車事故対策機構」が2012年から「JNCAP(Japan New Car Assessment Program)」という安全性評価のプログラムの中で、自動車の歩行者頭部保護性能と歩行者脚部保護性能を試験し、消費者が商品選びをする際の目安として結果を公表している。

 ユーロNCAP(European New Car Assessment Programme)でも、2016年から歩行者保護に関する試験項目が追加された。2018年には夜間の歩行者保護に関する試験項目が追加される予定だ。

 スバルは欧州で新型「インプレッサ」を販売するにあたって、ユーロNCAPの評価という強い武器を得たということだ。

 また、アメリカの自動車アセスメントでも、今後、歩行者保護が対象となっていく。北米での販売が事業の大黒柱であるスバルにとって、歩行者保護性能のアピールは重要なセールストークとなる。

■ 完全自動運転に向けての「通過点」

 JNCAPのアセスメントでは最近、衝突時の衝撃低減に加えて、事故を未然に防ぐ「予防安全性能」の評価が強化されている。

 その試験項目として、日本では「衝突被害軽減制動制御装置」および「車線逸脱警報装置」がある。前者はいわゆる自動ブレーキで、後者は英語では "Lane departure warning system" と呼ばれることが多い。この領域で、2つのカメラを持つアイサイトの評価は高い。

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最終更新:8/11(木) 9:25

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