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正方形に魅せられた漆職人のずば抜けた数学力

JBpress 8/11(木) 6:10配信

■ 魔方陣(Magic Square)

 縦、横、斜めに並べた数字の和を等しい値にする数理パズルが「方陣」または「魔方陣」です。

魔方陣の例、『カンタベリー・パズル』の「イザベル夫人の小箱」

 方陣の方は正方形の方を表し、西洋では「Magic Square」、魔法の正方形と呼ばれています。

 方陣は表の中に1からマス目の総数までの数字を配置し、同じ数字を2度と使わないこと、そして計算結果は紙に書き出されることがルールです。

 最も基本的な縦横3列の魔方陣は3方陣とよばれ、縦、横、斜めの和はどれも15です。

  (* 配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の図表をご覧いただけます。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47594)

 これまでに大きな方陣は次々と発見され、2012年には3559方陣が発見されています。

 たし算を基本とする方陣は子供にも挑戦できる数理ゲームです。子供のときに方陣を遊んで次第に数学の世界に入っていき数学者になる者も少なくありません。

 高度な方陣を発見するためには法則の追求が必要となるからです。江戸の数学者関孝和やインドの数学者ラマヌジャンなどがそうでした。

■ 正方形分割正方形(Squared Square)ルジンの問題

 「Squared Square」を訳せば正方形分割された正方形(正方形分割正方形)です。

 正方形をすべて異なる大きさの正方形で重複も隙間もなく埋めることができるか? 

 ルジンの問題とも呼ばれるこの問題は、正方形がいかに美しく、そしていかに難しい存在なのかを物語ります。

 正方形分割正方形の歴史をたどっていきたいと思います。面倒な解説抜きに正方形分割正方形の絵を眺めていくだけでその魅力は十分に感じてもらえるでしょう。

■ 1902年、デュドニーの『カンタベリー・パズル』

 1902年に出されたデュドニーの『カンタベリー・パズル』には114個のパズルがのっており、その40番目が「Lady Isabel's Casket(イザベル夫人の小箱)」という問題です。

 イザベル夫人の宝物の1つが木で細工された小箱でした。小箱自体が正方形で、その中も正方形で仕切られているというものでした。

 ただ、木箱の中には細長い黄金の細片(10インチ×1/4インチ)があるという条件がついています。

 問題は、それはどういう形をした小箱かということです。解答のページにある図が次です。たしかに一辺が20インチの正方形の内部がすべて異なる大きさの正方形で分割されています。

 そして、真ん中部分には10インチ×1/4インチの長方形が確認できます。

 デュドニーは、このパズルは細長い黄金の細片があるから解けるのであって、この条件なしにすべてを異なる正方形で埋め尽くすことは不可能であるといっています。

 1903年に、デーンは次を証明しました。

 長方形の辺の長さの比が有理数であることは、その長方形が正方形分割できるための必要十分条件である。

 この定理が後に正方形分割正方形の解決の大きな突破口になることになろうとはデーン自身気づきませんでした。

■ 1917年、単純不完全正方形分割正方形

 1917年、ロイドによって次の正方形分割が発見されました。

 同じ正方形があるのでこれは“不完全完”な正方形分割(単純不完全正方形分割正方形:Simple Imperfect Squared Square)と呼ばれます。

■ 1925年、正方形分割長方形

 1925年、モロンは次を発表しました。

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最終更新:8/15(月) 8:50

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