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アメリカは織田信長で止まっている国③<アメリカはいまだ天下統一ならず>

BEST TIMES 8/12(金) 6:00配信

嫌でも日本に大きな影響を与えるアメリカ大統領選挙。 今、アメリカでは何が起きているのか? そもそも大統領選挙とはどういうものなのか? 主要なアメリカ大統領を採点しながら、日米史を振り返る、絶賛発売中の『大間違いのアメリカ合衆国』。その中でも基本的なアメリカの国体を倉山先生に斬っていただきます。

揉め事が起きれば銃を撃ち合って解決する! それがやり方

 アメリカは日本列島の二十五倍の土地を、開拓民が不屈の根性で開拓した国です(その途中経過で勝手にインディアンと呼んだ原住民や黒人相手にどんな非道を重ねたかは、ここでは置いておきましょう)。

 東海岸のワシントンDCで作った法律など、アパラチア山脈を越えたら誰も守りやしないのです。揉め事が起きれば銃を撃ち合って解決するのです。

 室町時代の関東で、揉め事が起きれば戦で解決したのと同じです。

 例をあげると、ヨハン・ズーターという人が自分の土地で金鉱を見つけました。その後、その広大な土地に勝手に人がいっぱい住み着いて、勝手に金を奪っていって、みんな大金持ちになりました。
    これに対し、ヨハン・ズーターは三十年かけて連邦最高裁に訴え、「これは全部自分の財産だ」と認めさせることには成功しました。けれど、もう三十年も経っていて、住み着いた人たちの既得権益になっているため、国は土地を取り上げられず、連邦最高裁の判決は実行されることなく、ヨハン・ズーターは泣き寝入りしました。その盗られた土地のことをサンフランシスコと言います。

 つまり、ヨハン・ズーターの時代のアメリカには法の支配がなかったということです。どこが民主主義と文明だという程度の国です。

 さすがに今のアメリカはここまでひどくありませんが、建国百年くらいのズーターの時代までは本当にこんな感じでした。「すみません。自分の身は自分で守るのがうちの方針なので、野蛮だったり、危険だと思われる地域には自己責任で行って下さい」と言うしかありません。要するに、“天下統一”ができていないわけです。当然、“刀狩”ができていない国で法の支配など実態としてありうるわけがないのです。

 むしろ“銃狩”をしようとしたら、アメリカ人は「人権をはく奪する気か?」と猛烈な抵抗をするという話は、既にしました。

刀狩、検地、戸籍づくり、アメリカはできているのか? 

 “刀狩”と言えば検地ですが、こちらも怪しいものです。

 こと選挙に関して言えば、アメリカには戸籍がありません。ですから、選挙権も日本のように二十歳(今年、平成二八年の参議院選挙からは十八歳)になったら自動的に付与される特権ではなく、アメリカ人は十八歳になったら「選挙人登録」というのを行い、自分の意志で権利を主張しなくてはいけないのです。

 要は、時の政府が国民の数も出自もきちんと把握していない、つまり、太閤検地以前の応仁の乱で止まっている状態というわけです。わが国では太閤検地ほどの規模ではないにしても、天智天皇の時代から戸籍づくりが始まっているので理解できないかもしれませんが。

 アメリカは移民が好き勝手に入ってきて成立した国なので、日本など普通の国とは感覚が違いすぎるのです。

 アメリカは国籍の定め方からして、一般的な国と違います。普通の国は「属人法」と言って、血縁を重視するのに対し、アメリカでは、国内で生まれたら、自動的に米国籍になる「属地法」なのです。海外で出産した米国籍の夫婦の子供が米国籍になるのは、あくまでも例外規定として属人法が適用されるケースです。だから、アメリカ在住の日本人の両親が子供を産んでしまうと、子供は成人のときに、どちらかの国籍を選択しなくてはいけなくなります。今は停止しているものの、徴兵がありますし、他にも色々と生き抜くのが大変ということで、アメリカ国籍の方を選んだという人の話はあまり聞かないですが。

『大間違いのアメリカ合衆国』より抜粋 

 

文/倉山 満

最終更新:8/12(金) 6:00

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