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UEFAスーパー杯でセビージャ清武弘嗣がフル出場を果たした意味

webスポルティーバ 8/12(金) 11:17配信

 今季ハノーファーからセビージャに移籍した清武弘嗣。だが、すぐに故障でチームを離脱し、治療のため日本に帰国。チームに合流したばかりの新人選手が、UEFAスーパーカップ(8月9日・スコピエ)にスタメン出場したのは予想外だった。

【写真】8月2日、グラナダとの練習試合に後半途中から出場した清武弘嗣

 前シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)覇者対ヨーロッパリーグ(EL)覇者で争われるこの一戦。シーズン開幕を告げる風物詩的なイベントだ。プレシーズンマッチならではのお祭り的なのどかさを残す一戦ながら、UEFA主宰の公式戦であり、高い格式を誇る。日本人の出場は、2002年大会(レアル・マドリード対フェイエノールト)の小野伸二に次ぐふたり目となる。清武はいきなり、たいそうな舞台に立つことになった。

 そもそもの驚きはEL覇者、しかも3年連続、通算5回優勝の実績があるセビージャへ移籍を果たしたことにある。前シーズン、ブンデスリーガ18位で降格したハノーファーからの移籍は、まさに2階級特進に値する栄転だ。

 香川真司のいるドルトムントと同格、あるいはそれ以上に相当するまさに欧州のトップクラブ。ここでスタメン出場を果たせば、日本人の欧州組の中でナンバーワンのポジションにつくことを意味する。

 想起するのは、09~10シーズンのCL決勝トーナメント1回戦。サンチェス・ピスファンで行なわれたセビージャ対CSKAの第2戦だ。そこで本田圭佑が叩き込んだ超弩級のFK弾は、日本代表の起爆剤となった。岡田ジャパンでそれまでサブだった本田は一躍スタメンを獲得。2010年南アフリカW杯で、救世主のような活躍を見せたことは記憶に新しい。

 セビージャは、清武が日本代表の中心になれるか否か、判断の指標になるクラブ。僕はそう解釈している。その舞台に清武はスタメン選手として立った。しかも相手はレアル・マドリード。代表のスタメン争いで現状、本田、香川の後塵を拝する清武だが、ここで活躍すれば評価は変わる。岡田サンが以降、中心選手を中村俊輔から本田に代えたように、ハリルホジッチも心を変えざるを得なくなる――はずなのだ。

 UEFAスーパーカップ、レアル・マドリード対セビージャは、そうした意味で、リオ五輪より代表チームにダイレクトに作用しそうな、日本人にとって注目すべき試合だった(結果は延長の末、3-2でレアル・マドリードが勝利)。

 とはいえ、清武の2階級特進を懐疑的に見る人は多いはずだ。特進の根拠についてである。セビージャはなぜ清武を欲しがったのか。清武には本田や香川のようなコマーシャルメリットはない。お金が一緒に付いてくる選手ではない。そもそもセビージャは、そうしたヘンな色気を抱える体質のクラブではない。

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最終更新:8/12(金) 11:17

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