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試練ばかりの旅打ちで、元気をくれた門別競馬場の「おもてなし」

webスポルティーバ 8/12(金) 11:35配信

「夏競馬」珍道中~北日本編(8)

 盛岡→札幌→帯広と渡り歩いてきた「旅打ち」も、いよいよ次の門別が最後となる。

 これまでの3カ所は、どれも過去に行ったことがあったが、門別は今回初めて訪れる競馬場。だから、とても楽しみにしている。

【写真】幻想的な雰囲気の中で行なわれている帯広のばんえい競馬

 けれども、札幌、帯広と連敗。というか、どちらもまったく当たらずの“ボウズ”だったので、財布の中がかなり心細くなっている。その意味では、「楽しみ」なんて本当は言っている場合ではないかもしれない。が、ここまで来たからには、行くしかない。旅の最後に起死回生の一発を狙うつもりだ。

 帯広から門別に行くためには、まず札幌に戻らなければならない。もはや無駄なお金は使えないので、昨日と同じく「オトクなきっぷ(※)」を使って各駅列車で行くしかない。
※1週間の有効期間内なら、JR東日本とJR北海道の普通列車が乗り放題という「北海道&東日本パス」。値段は1万850円。ただし、特急電車使用の際には乗車券として使用できず、新たにその間の乗車券も必要となる。

 朝6時52分発の電車に乗って、帯広駅を出た。同じホームの反対側には、札幌行きの特急列車が発車の時間を待っていた。

「あっちに乗れば、あっという間に札幌に着くのに……」

 ゆっくりと電車が動き出す中、ちょっとうらめしい気分になった。

 札幌駅に着いたのは、13時19分。札幌から門別競馬場までは無料の送迎バスがあるが、1日1往復のみで、この時間にはすでに札幌を出てしまっている。

 となると、再びJRの各駅列車で行くことになるが、15時20分まで連絡する電車がない。ひとまず、ホテルにチェックインしてから出直すことにした。

 門別競馬場の最寄り駅は、JR日高本線の富川駅。ただ、日高本線は昨年発生した土砂災害からまだ復旧しておらず、鵡川まで行って、そこからは代行バスに乗り換えた。

 なんとか富川駅に着いたのは、18時05分だった。

 移動疲れもあってか、ややふらふらしながらバスを降りた。その瞬間、がく然とした。

 そこには人気(ひとけ)のない駅舎があるのみで、競馬場まで行くバスも、タクシーも見当たらない。だいたい、普段からそんなものがあるのか、と言いたくなるほど閑散としている。

 仕方なく、一緒にバスを降りた地元の高校生に競馬場までの道を尋ねてみたが、すかさず「本当に歩いていくんですか?」と呆れられた。聞けば、長くだらだらと続く坂道を越えて1時間近くはかかるという。

 朝早くに帯広を出て、ようやく目的地近くまでたどり着いたというのに、またしても試練だ。

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最終更新:8/12(金) 11:35

webスポルティーバ

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