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対戦相手たちが見た「BIG3」。彼らの凄みとは何なのか?

webスポルティーバ 8/12(金) 14:03配信

 今夏の甲子園大会は「BIG3」と呼ばれるプロ注目の3投手が注目を集めている。彼らはいったいどんなボールを投げているのか。甲子園で実際に対戦した打者の証言から、逸材の実像に迫ってみたい。

【写真】初戦の高川学園戦で被安打2、失点1、奪三振11と好投した履正社のエース・寺島成輝

 大会2日目の8月8日、大会ナンバーワン左腕と言われる寺島成輝(履正社・大阪)が甲子園のマウンドに上がった。今年のドラフト戦線を常に最前線で引っ張ってきた存在だが、甲子園は3年の夏にして初登場。4万2000人の大観衆がその投球を見守るなか、寺島は評判通りの投球を見せつけた。

 機動力を武器に嫌らしい野球をする高川学園(山口)に対して、被安打2、奪三振11、失点1(自責点0)で完投勝利。2回の時点で4点をリードしたこともあり、途中から要所以外は力をセーブして投げているようにも見えた。

 試合前に「真っすぐが多いので、詰まらされないようにしたい」と語っていた高川学園の2番打者・山崎悠大は、打席に立った印象をこう語る。

「体は大きいし、マウンドでも大きく見える。序盤は手も足も出ない感じでした。球数を投げさせて終盤勝負と思っていたのですが、ストライク先行だったので、なかなか思うようにいきませんでした」

 それでも見せ場は作った。俊足の1番打者・大江駿介が四球と内野安打で2度出塁すると、走者・大江は寺島から何球も牽制球を引き出し、打者・山崎は何度もファウルで粘って寺島を揺さぶった。高川学園の特徴である「ノーサイン野球」で盗塁やランエンドヒットを繰り返してチャンスを作り、6回には3番・相田聖人のタイムリーヒットにつなげた。だが、高川学園が挙げた得点はこの1点のみだった。

「あの回(6回)は自分たちの野球ができたと思うのですが、他の回にもっと球数を投げさせたり、足を使えたらよかったと思います」(山崎)

 5番・一塁手の森大祐は寺島に対して3打数無安打2三振。しかも三振は2つとも見逃し三振だった。外角のストライクゾーンぎりぎりにコントロールされたストレートに、森の体は硬直した。

「手が出ませんでした。想定していたよりもずっといいボールでしたし、『ここは大事だぞ』というところで力を入れて決めにくる。自分たちの力が及ばず、途中からは寺島くんに気持ちよく投げさせてしまいました」

 マウンドでの威圧感に精密なコントロール。高川学園の持ち味を封じた、寺島の甲子園デビュー戦だった。

 8月9日の大会3日目に登場したのは、最速152キロをマークする右腕・藤平尚真(横浜・神奈川)だ。履正社と並び優勝候補の双璧と見られている横浜が、名門・東北(宮城)と対戦する好カード。この日も4万1000人の大観衆がその投球を見つめた。

 藤平が初球を投じると、スコアボードには「147km/h」の球速表示が灯り、場内からは「オォ~……」と、どよめきが起きた。数字もさることながら、ボール自体の勢い、強さはスタンドから見ていても伝わってきた。

 この時、打席に入っていたのは1年生ながら東北のリードオフマンを務める杉沢龍だ。

「高校に入ってから、今までのピッチャーはボールの回転が見えていて打ちやすかったんです。でも藤平さんのボールは回転数が多くて、急に迫ってくる感じ。球威もあったし、今まで対戦したことのないピッチャーでした」

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最終更新:8/12(金) 14:03

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