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無農薬セロリは食べるな!

JBpress 8/12(金) 6:10配信

 先月、静岡県藤枝市でじゃがいもの食中毒事故が発生しました。藤枝市内の小学校で栽培していたじゃがいもを7月12日に収穫し、15日に皮ごとゆでて食べたところ、食中毒になったようです。じゃがいもに含まれていた「ソラニン」という毒物にあたったとみられています。7月22日の静岡新聞、朝日新聞ほか、数社で報じられました。

記事中で示す図(グラフ)

 じゃがいもにソラニンという毒物質が含まれていることは、一般的に知られています。ソラニンという名は知らなくても、ジャガイモの芽は取らないと危険だということを知らない主婦は、きっと馬鹿にされてしまうでしょう。

 ソラニンは、じゃがいもの茎の根元や、じゃがいもから発芽した芽、そして太陽光などに当たって緑に変色した表面にも多く含まれています。

■ 生えてもいない「芽を取った」という言い訳か

 今回の藤枝市の食中毒、報じた記事を読むと3つほど気になることがあります。

 • 収穫して3日程度の芋に芽が生えているものだろうか?  

 じゃがいもを長期間保存するとき、北海道のJAが持っているような貯蔵施設を持たない一般の農家では、適切に保存していても保存期間が長くなると芽が出てしまうことはあります。しかし、いくらなんでも3日で芽が出るのは早すぎます。

 (参考) 北海道にあるじゃがいもを約2℃で寝かせるための巨大な貯蔵施設

 • 蛍光灯にあたっていたのでは? 

 じゃがいもの保管は、冷暗所に置くのが大原則で、特に光に当てるのは厳禁です。光に当てると、表面にソラニンが生成されて緑色を帯びてきます。スーパーでたまに、どことなく緑っぽい、変な色を帯びたじゃがいもを見かけるのは、蛍光灯の下に長時間置かれて、ソラニンが生成されつつあるからです。

 • 職員室での保管は可能か? 

 職員室で保管していたと報じられていますが、職員室は冷暗所とは言い難いし、一般的な職員室のスペースを想像すると、じゃがいもを広げて置くのは難しいのでは・・・。そうなるとコンテナなど箱状容器に放り込んでいたと考える方が自然です。

 以上の3つのことを考慮すると、この小学校の先生は収穫したじゃがいもをコンテナのような箱に放り込んで、遮光することがなかったか、あるいはビニールシートでもかけていたのではないだろうか?  

 たとえビニールシートで覆っていても光を完全に遮断するわけではないので、収穫から3日間でもソラニンが生成されてしまった可能性が考えられます。仮に職員室で保管したとしても、この時期おそらくエアコンがかかっているので、すぐには発芽しないはずです。

 しかし先生は、じゃがいもの芽に毒が含まれていることを知っていても、光の下に長時間置いてはいけないとまでは知らなかった。よって食中毒の発生の言い訳をするのに、生えていなかった「芽を取った」ということにして責任回避を図ったのではないか・・・そんな仮説が成り立ちます。

 じゃがいもがソラニンを生成するのは、虫や動物からの捕食を防ぐためとみられています。じゃがいもは土中で生育しますが、地表面に近いところで大きくなると、芋が地表に露出することがあります。そんな時、捕食されないようにソラニンを生成し、身を守るのです。

■ あまり知られていない「セロリ」の毒

 前回の記事「天然モノの『安全神話』はすでに崩れている」では、食事に含まれる農薬物質の99.99%が植物由来だった、すなわち植物の天然毒は農薬の1万倍あることを示した「エームズ・ショック」について触れました。この植物が有する毒は、常に一定量含まれているわけではなく、状況によって含有量が変化することもあります。

 要するに、ふだんは毒性を持たない(持っていても大した威力はない)が、危機的状況になると毒素を生成して身を守ると言うわけです。ジャガイモの生成するソラニンはそんな例の1つとしてあげられるでしょう。

 じゃがいもがソラニンを生成する時は、素人目にも分かるよう色が変わるので、知識さえあれば毒の摂取を避けるのは容易です。しかし、そうでない場合もあります。典型例はセロリです。

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最終更新:8/12(金) 14:15

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