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フェイスブックが広告遮断の阻止に乗り出す

JBpress 8/12(金) 6:00配信

 米フェイスブックは8月9日、同社のサービス内で広告を遮断できないようにすると発表した。

■ 「広告遮断は当社のビジネスを脅かす」

 これまでは、ウェブブラウザーに広告遮断ソフトウエア(アドブロッカー)を組み込めば、フェイスブック内の広告を非表示にすることができた。

 だが今後は、アドブロッカーを回避する措置を取り、そうしたユーザーのパソコンにも広告を表示するとしている。

 この話題について報じている米ウォールストリート・ジャーナルによると、フェイスブックの広告・ビジネスプラットフォーム担当副社長のアンドリュー・ボスワース氏は、「フェイスブックは広告によって支えられている。広告はサービスとは無関係なものではなく、フェイスブックにおける体験の一部だ」と述べている。

 また同紙が引用した米国インターネット広告業界団体、IABのデータによると、同国では現在26%のユーザーがパソコンでアドブロッカーを使っているという。

 一方、今後はそうしたユーザーがフェイスブックを利用しなくなるというリスクもあるが、その影響は比較的軽いのかもしれないとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。というのも同社の収益は主にモバイル向け広告によって支えられているからだ。

 先頃フェイスブックが公表した今年4~6月期の業績リポートによると、同四半期の広告収入全体(62億3900万ドル、約6326億円)に占めるモバイル向け広告の比率は約84%だった。

 そして、今回同社が広告遮断への対抗措置を取るのはパソコン版サービスのみで、スマートフォンなどのモバイル端末は対象外となる。

 ただ、それでも広告遮断は脅威になるとフェイスブックは考えている。同社は有価証券報告書の中で、「広告遮断技術は、当社の事業を脅かす恐れがある」と報告している。

■ 「ユーザーに広告管理の権限を渡す」

 同社は広告遮断を阻止する一方で、ユーザーの煩わしさを軽減する措置も講じる。前述のボスワース氏は、現在ユーザーに提供している「広告設定」を改良し、これまで以上に使いやすくすると説明している。

 「例えば“旅行”や“猫”といった特定の項目に関する広告を見たくない場合、広告設定でそれらを削除できる」(同氏)。また自分を顧客リストに加えている企業からの広告を表示したくないという要望もあることから、今後そうした要望に対応するツールも提供するという。

 そして、ボスワース氏は公式ブログ記事で次ぎのようにも述べている。

 「多くの人は悪質な広告を見ないようにするため、特定のウェブサイトやアプリを避けたり、広告遮断ソフトウエアを使ったりしている。これらの方法はこれまで最良の選択肢だった」

 しかし同氏は、「広告遮断のソフトやサービスを提供している企業の中には、金銭を受け取り、特定の広告を表示している企業もある」と指摘。

 「これはユーザーを混乱させるだけでなく、ジャーナリズムや無料サービスを支える資金を減らす行為だ。我々はそうした企業にお金を払うのではなく、設定機能などを通じてユーザーに広告管理の権限を渡す」としている。

 このほか同氏は、広告表示システムの改良を図ったことを強調している。これにより広告は、ユーザーのオンライン体験の質を損ねるのではなく、むしろ補完するようになったと、同氏は説明している。

■ スマホの広告遮断が急増中

 前述のとおり、今回の広告遮断への対抗策はパソコン向けサービスに限定するものだが、フェイスブックはやがてモバイル向けサービスでも同様の措置が必要になるのかもしれない。

 先頃、アイルランドのページフェア(PageFair)が公表したスマートフォン利用者の広告遮断に関する実態調査によると、広告を遮断してウェブコンテンツ閲覧しているユーザーの数は、全世界で約4億1900万人に上り、世界のスマートフォン利用者数である19億人の22%を占めた。

 このうち、初期設定で広告遮断しているウェブブラウザーを利用している人の数は4億800万人。この数は1年前から90%増と、ほぼ2倍に増えている。

小久保 重信

最終更新:8/12(金) 6:00

JBpress

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