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【MLB】「異世界からの侵入者」イチローは東西の野球を統合した、2000年代最も重要な野球選手

ベースボールチャンネル 8/13(土) 17:00配信

「特別な打者」そして「野球の紳士」

 イチローのメジャー通算3000本安打達成を機に、メジャーリーグ野球史におけるイチローの存在や意味について、全米の至るメディアで報じられている。

 中でも “Ichiro is special hitter, gentleman of baseball”「イチローは特別な打者、野球の紳士」というタイトルで記事を出したのは、オハイオ州コロンブスの新聞『The Columbus Dispatch』のスポーツ記者、マイケル・アレイス氏である。

Ichiro Suzuki, for the way he united baseball’s Eastern and Western fronts and boosted internationalism in America’s pastime, may have been the most important baseball player of the 2000s.
「東西の野球を統合し、アメリカのスポーツを国際的に広めたイチローは、2000年代における最も重要な野球選手かも知れない」

 しかし、現在はかつてほどの注目は浴びていないとイチローの状況を冷静に分析している。

「だがその後、イチローはマーリンズの4番手の外野手、ピンチヒッターとなり、ほぼ忘れられた存在となっている。だから、イチローが3000本目の安打を打った日曜日も、スポーツ・ニュースが大々的に報道したのは、58のスコアで優勝を決めたゴルファーのジム・フュリック、400メートル競泳を制覇したケイティ・レデッキー、19個目の金メダルを取ったマイケル・フェルプス、そして何とあのAロッドのことだった」

 イチローはメジャーリーグで3000本安打を達成した30人目の選手となった。3000本の安打を放った選手は、(薬物使用で知られる)ラファエル・パルメイロやAロッドといった例外を除き、ほぼ最初の投票で野球殿堂入りが確実だ。

 もちろんイチローはステロイドを使用しない。使うのは、特別仕様で自分のために作られたエクササイズ・マシンである。

 メジャーデビューした2001年。薬物を使った選手たちが多くの記録を塗り替えていたあの頃、イチローはまさに「異世界からの侵入者」であった。

 当時のマリナーズのルー・ピネラ監督は自身も優れた打者だったが、初年のキャンプをこう回想する。

「当時27歳だったルーキーのイチローは印象的だったね。両方を膝をすり合わせたあのスタンス、くねくねしたバット裁き、右足を蹴り上げるような走り方、そして見たことのないようなスイング。いや、スイングというより、風を起こすような動きを、有名シェフのような下向きスライスで締めくくるような動作だった。それが終わるとイチローはすでにファーストまで半分走っていた」

 ピネラ監督は数日後、イチローに、「おい、ちょっとはボールを(右に)引っ張ってみろ」と気短に命じた。するとイチローはとたんにレーザーのようなライナーをライトに打ち返すようになり、そのうち1本はフェンスを越えた。ベースを回ってホームを踏んだイチローは、監督にこう切り返した。

「Happy now?」

 ピネラ監督がイチローの特別な才能を知ったのはこの時で、それからは好きなように打たせた、という。

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最終更新:8/13(土) 17:00

ベースボールチャンネル

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