ここから本文です

「アキドラがなくなった現実が突き刺さる」アキドラ発アイドル・異国のファルマチスタはどこへ? 彼女たちの“今”に迫る

おたぽる 8/13(土) 14:00配信

 秋葉原の名所として親しまれていたライブスペースのあるメイドカフェ、AKIBAドラッグ&カフェ(以下、アキドラ)が、5月8日、3年の歴史に幕を閉じた。そのアキドラをホームとして活動していたのが、“天空”アイドルオーディションから生まれたユニット、異国のファルマチスタ(以下、ファルマチスタ)だ。「彼女たちは今どこへ?」と思ったら、名前をアキドラにちなんだファルマチスタ(=イタリア語で「薬剤師」の意味)から、パルピタンテ(=フランス語で「トキメキ」の意味)に変え、「異国のパルピタンテ」(以下、パルピタンテ)として新たなステージへと進んでいた。

 2名の脱退メンバーを出す中、パルピタンテに残っていたのは、“天空”アイドルオーディションで選ばれた、初期メンバーの4人。彼女たちがそれでもアイドルを続ける理由とは――彼女たちに直撃した。

■「サークルの延長線上みたいな人がいるんですよ」

――アキドラが閉店したと知り、驚きました。みなさんは、アキドラが閉店すると聞き、どのようなことをまず思ったのでしょうか?

ヴィヴィアン・ゆん(以下、ゆん) アキドラは、たくさんのライブを主催したり、メイドとして毎日お客さんに会えたりする店ということもあり、その点でほかのアイドルよりはスタートの時点ですごく恵まれていました。何かができなかったら解散みたいな、そうした危機感をあまり持たずに活動していたので、アキドラがなくなってしまうと聞いたときは、本当にユニットも終わってしまうのかと思いました。

そら(温泉マーク)るる(以下、るる) なくなると聞いたときは、この4人の中でも、もしかしたら誰か辞めちゃうんじゃないかとすら思いました。両親もめっちゃ、ヤバいでしょって。

ゆん るるちゃん、続けるの反対されたんじゃないの?

るる 「ちゃんと考えないと」と、過去最大級に“どうしよう”100%だった。「もう辞めなさい」と言われて、瀬戸際みたいな。でも、私たち自身がユニットを続けていきたいと決めて、そのことを両親に伝えたら、最後はちゃんと応援してくれました。

松坂瀬奈(以下、瀬奈) 瀬奈は、一瞬、辞めようかなと思いましたね。異国のファルマチスタもなくなるなら、同時に芸能界も辞めようかなと。でも、もちろん辞めたくはなかった。だから、今もこうして続けられているんだと思います。

宇佐美花菜(以下、花菜) 今まで当たり前にあったアキドラというホームがなくなって、これからどうなるのかと思いました。でも、ずっとこのままアキドラというホームがで続けていても、大きくなれなかったと思うので、外に出るいいチャンスだなと思いましたね。

ゆん アキドラはショーレストラン「DDPシアター新宿店」として移転することになっていたのですが、異国のファルマチスタがその中でどうなっていくかはとても不透明で、これまで通りの活動を続けていけるかどうか分からなくなっていたんです。でも、私たちはみんなで話し合ってユニットを続けていきたい決めました。アキドラという恵まれた環境から巣立って、ほかのところを中心にライブ活動をするきっかけというか、踏ん切りをつけられたのかなと思います。

――アキドラから巣立つことを選んだ一方で、卒業したメンバーも2名いましたよね。なぜ、みなさんは活動を続けようと思ったのですか?

ゆん 私はオーディションのときから、これが人生最後のチャンスだと思っているので、このユニットに懸けています。だから、自発的に辞めることは絶対にないです。アキドラがなくなっても、ユニットで活動できるなら、それは関係ないですし、ユニットの人数が減っても、続けるか続けないかは、個人の問題だから。

るる 私も辞めるって発想はないの。このグループに可能性があると思ったし、何より自分が一番成長できた場所で、みんなも仲が良い。このみんなでなら、絶対売れると思っていたから、頑張ろうと思いました。もっとやることあると思うし。

瀬奈 瀬奈も、アキドラが閉店すると聞いたときはどうしようと思ったけど、名前が変わる話が出た時には、まだ先があって、一新して次のステージに行けるなら頑張ろうと思いました。この3人となら、私は信用して頑張っていける自信があったから。

花菜 私はまだやり切れていない感とまだやれることがあるという気持ちがあったので、辞めるという発想がなかったですね.それに、みんなが何を目的にアイドルをやっているかをすごく分かっていたから、自分も続けようと思いました。

ゆん まわりにはいろんな方がいらっしゃるので、何となくアイドルをやっている方もいるのは、何となく分かるんですよ。だから、「しっかりこの活動をやっていこう」という意志をみんなそれぞれが持っているから、信頼できるんです。

るる 言い方が悪いけれど、確かに、ほかのグループとかでは、サークルの延長線上みたいな人がいるんですよ。このメンバーに、ひとりでもそういう人がいたら、続けていなかったかもしれない。

■「最初、インチキ臭いと思ったんですよ。でも、本物だった」

――ゆんさん、るるさん、瀬奈さんは、オーディションを一般応募枠で受かった組ですが、その意志の強さは、オーディションを勝ち抜いてきたという思いもあったのでしょうか。ゆんさんは、最後のチャンスだったとのことですが、お二人はいかがですか?

瀬奈 瀬奈はですね、オーディション雑誌で見て申し込んだのですが、動機が不純なんですよ。本当は女優になりたかったのですが、ほかのオーディションに受からなくて、何でもいいやと思って応募したら、受かったんです。だから、落ちたら、違うところを受けようかというノリだったので、その頃は強い意志はなかったです。でも、入ったら、周りが本物なんですよ。ダンスの先生も本物だし、マネージャーさんもいろんな芸能界を渡ってきた人だし。これはガチだと思いました。せっかくこんな恵まれたところに入れたのだから、これは頑張ろうと思って今に至ります。最初、インチキ臭いと思ったんですよ。私みたいのが簡単に受かっちゃうのは。でも、本物だったので身が引き締まりましたね。

るる 私はもともとアイドルになりたくて、けっこういろいろな場所を受けてダメで、最後と思って応募したのがここでした。ようやく自分のことを拾ってもらえたんですよ。アイドルは人を笑顔にする仕事なので、自分が歌ったりしゃべったりすることで笑顔になってくれる人がいて、応援してくれる人がひとりでもいたら、絶対続けます。通りすがりの人とかにも、「面白いね」と言ってもらえたとき、自分がやっていてよかったと思いますね。

――花菜さんは、同じカフェスタッフ出身のメンバーが次々と辞めていった中、続けられた理由はどういったところにあったのでしょうか?

花菜 たぶん、私はもともとアイドルがすごく好きだから、本当にこうやって活動していることが幸せなんです。職権乱用をよくしていて、自分が好きなアイドルと一緒にライブができたり、写真を撮ってもらえたりするのがすごくうれしい。特に、Cheeky Paradeさんが大好きで、同じライブに出たいので、対バンで一緒に出られるくらい大きくなりたいです。

――そうして活動を続けてきたみなさんですが、オーディションを受けた当時の自分と今の自分を比べて、成長したと実感する部分はありますか?

瀬奈 考え方ですね。オーディションのときは、軽い気持ちだったのが、今はその先を少しでも見て、考えて行動できるようになりました。でも、見た目はできれば昔に戻りたいですね(笑)。「最初の頃がかわいかったのに」と、よく言われます(笑)。

ゆん 人に喜んでもらうことが大事になりました。さっきの「なぜ続けられたか」の話につながりますが、私たちオーディションで受かったメンバーは、ファルマチスタを作る人たちに選んでもらったんですよ。ユニット作りにあたって、私たちがどんな子か、スタッフさんが見て作ってくれたグループだから、その気持ちを汲み取ることができる機会が、私たちは多かったんだと思うんです。そういう気持ちを知っているから、最初の頃はステージに立てたり、衣装をもらえたり、曲ができたりと自分がうれしかったんですが、最近はお客さん人どうやったら喜んでもらえるかというのを考えるようになりました。気持ちを汲み取る機会が多かった分、そこが変ったと思います。

るる 歌が上手になりました! 本当にひどかったんですよ、カラオケでも60点取れなかった人なんですよ。でも、最近、80点を安定して取れるようになって、音程が取れるようになりました。音符も頭に浮かべられるようになったので、電車の中で急に踊りたくなるとか、分かるようになりましたよ。生きていく中で、ご飯大事、命大事、髪の毛大事の次にあるみたいな!

ゆん 活動が自分の生活の一部になったってこと?

るる そう。だから、一日たりとも忘れることないです。

――花菜さんはいかがですか?

花菜 私ですか? 顔がかわいくなりました。

――元からかわいかったじゃないですか!

花菜 そうなんですよ、よくお気づきで(笑)。かわいかったんですけど、今見るとそこまでじゃないかなと。そのときは、自分もことを100点かわいいと思っていたんですけど、今はもっとかわいくなりました。

――アイドルになってから、美容法とか変ったんですか?

花菜 もともとかわいいんで、そんなに付け加えていないんですけど、見られることが増えたので、さらにかわいくなったのかな。

――では、オーディションを受けている当時の自分に、今の自分からアドバイスを送るとしたら、どんなことを伝えたいですか?

るる やるなら、もっと練習をしてからやりなさいって。自分は完璧だと思って出ていたんですけど、しゃべることもできていなかったんですよ。あと、自分がお願いしていた曲と違う曲がかかって、本当に頭の中が真っ白になっちゃった。だから、何があっても対応できるように、考えておいた方がいいよと。瞬時の対応力ですね。

ゆん 自分がどんなことをやりたいとかは、ちゃんと考えておいた方がいいんだなと思いました。あのときは、髪が長くて普通のお姉さんみたいな感じだったんですけど、やってみたかったファッションにずっと踏ん切りがつかなかったんですよ。でも、ユニットに入ってから金髪にして、髪を切ったらすごくほめられたので、もっと早くからやっておけばよかったのかなと思いました。やりたかったことがそういうことだったから、もっと早くやっておけば、もっと早く自分の魅力に気づけていたかもしれない。だから、日々の生活の中で、どうやったらもっと良くなるかは、考えておかなければいけないと思いますね。

瀬奈 当時の自分にだったら何のアドバイスもすることはないのですが、これからオーディションを受ける人にだったら、何も考えずに、オーディションのことだけを考えて受けてくださいという感じですね。確か、何も考えず、課題曲だけ踊っていました。家に帰ったら宿題があるとか言うのも、そのときだけは忘れていました。

花菜 私はもうちょっと緊張感を持つことかな。カフェスタッフだったから、課題曲はもともと踊れたし、知っているお客さんだし、「大丈夫っしょ」みたいな感じでしたね。基本、「大丈夫っしょ」モードなんですよ。

ゆん それは感じてた。超怖かったからね。

■「名前を覚えられていたのは、アキドラがあったから」

――アキドラと言う拠点がなくなり、外に出た厳しさを感じることはありますか?

るる 名前を変えてから、「誰?」って言われますね。

ゆん それで、「あ~、ファルマチスタの子なの」みたいな。

るる それに、“ファルマチスタ”って名前は知っているけど、顔は知らなかったという人が多いです。「新しい子たち?」みたいな。“ファルマチスタ”の名前を覚えられていたのは、アキドラがあったからという現実が突き刺さってきたよね?

瀬奈 アキドラは、めっちゃ知名度があるんですよ。アキドラから生まれた、“異国のファルマチスタ”も「あ~、知ってる」みたいな。で、“異国のパルピタンテ”は、「え? 研修生?」って。

ゆん 「新しいグループ?」って、言われますね。

瀬奈 だから、ユニット名の認知度を高めていったり、それぞれが個性を出して注目されていったりしたらいいなと思いますね。この前、るるちゃんがテレビに出て、「テレビに出ていた子ですよね」って、ちょっと知名度が上がったんですよ。少しでもそういう機会を大切にしていけたら、幅が広がるのかな。

――12月12日には、Shibuya WWWでセカンドワンマンライブですよね。セカンドワンマンライブに向けては、どんなことを考えていますか?

ゆん 今までに2回、ワンマンライブをやりましたが、1回目は思い入れが強いファーストワンマンだし、2回目はファルマチスタからパルピタンテになる節目のライブでした。だから、今度のライブは、ライブ自体にしっかりと焦点を合わせたいと思います。何かを発表するためのワンマンとかではなく、ライブをよりお客さんに楽しんでもらえるように、スキルアップしたいです。今後も曲が増えると信じて、より異国のパルピタンテらしさを出していくために、ちゃんと自分たちの中でも、どういうグループなのか、どういうライブをするのか、意識して精進していきたいと思います。

瀬奈 世界観を出したいよね。すごく大きい場所で、自分たちだけのライブが、約2時間あるわけじゃないですか。そこで、自分たちだけを見に来ているお客さんに、パルピタンテの世界を見せたいです。

――真価が問われるライブになりそうですね。

花菜 まだ何をやるか決まっていないので、自由に言えるのですが、私、ノンストップライブを観たことがあって。めっちゃ楽しいですよ、ノンストップライブ。だから、ライブが好きでお客さんが来てくれるのなら、そういうのもありかなと思います。

瀬奈 たぶん、セカンドワンマンライブは、今まで以上のハイレベルなライブが見られると思います。だいたい、ライブって対バンだと15分か20分なんですよ。そこで物足りない人もいると思うし、パルピタンテってどんな感じなんだろうって思う人もいると思います。ワンマンだったら約2時間、私たちのことをたっぷりと見られるので、そこで虜になってくれたらうれしいな。

るる 2年経った私たちは、1年目よりもやらなければならないことも増えたし、できる範囲も広がったと思うんです。ステージ上のパフォーマンスもできることが増えたし、自分の能力も上がって、見ている人を絶対に楽しませたいので、自分たちができることは全部出し切って頑張りたいです。

花菜 Shibuya WWWが450人くらい入るんですよ。たまに対バンで見るという人とかも来ていただけると思うので、そういう人たちに、帰るときにはパルピタンテにハマった、これからも通おうと思ってもらえる、次に繋がるライブにしたいですね。

ゆん 正直、今の段階の私たちには、Shibuya WWWは良い会場なんです。12月12日までに、それを埋められるように、私たちも成長していこうと思いますし、その日を見てもらえれば、「この子たち、上っていっているんだな」というのがちゃんと分かってもらえるライブになると思うんですよ。『異国のエルドラド』という私たちの新曲に、「君に一番いい景色を見せてやるぜ」という歌詞があるように、それをちゃんとその日に実現したいです。ちゃんと会場を埋めて、ファルマチスタだったころよりも、上に上っているその景色を見てもらうことによって、きっとみなさん感動していただけるのではないかと思います。人が上っていくのを見るのって、楽しいじゃないですか。そういう瞬間をちゃんと見てもらえるようにしていくので、12月12日はShibuya WWWに、ぜひ目撃しに来てもらいたいです。
(取材・文/桜井飛鳥)

■異国のパルピタンテ 公式サイト
http://www.ikokuno.com
■異国のパルピタンテ 公式ブログ
http://ameblo.jp/ikokunofarmacista/

12月12日 Shibuya WWWにて、セカンドワンマンライブ開催決定!

最終更新:8/13(土) 14:00

おたぽる

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。