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連載|荏開津広「東京/ブロンクス/ヒップホップ 1983-1996 」第1回

ローリングストーン日本版 8/13(土) 17:00配信

連載 第1回:東京/ブロンクス/ヒップホップ 1983-1996
ローリングストーン日本版 2016年6月号掲載

ヒップホップ史における重要な立役者「ラメルジー」とは何者か:死後評価が高まってる秘教的な作品と生

初期の日本のヒップホップは、いとうせいこうのような文学的な才能とストリートからのダンス巧者たちがアディダスとカンゴールで装い、交差する場として機能していた。

「グラフィティとラップは、僕たちのコミュニケートのしかたなんだ。今まで公衆に認められなかった僕たちが、コミュニケートするためにつくりあげたものなんだよ。それが、マスコミに取り上げられるようになって、今まで入れなかった枠の中に入れたってわけ」――フューチュラ2000 1982("NEW YORK MOVEMENT SHOTS"/ 勅使河原季里 より)

「ヒップホップのかっこよさのひとつは、考え方のかっこよさでしょう。音楽としては離れたけど、たとえば書くことのなかにヒップホップは入ってる。考えることの中心に、ずっとヒップホップがある。だから、僕はいまだに自分がヒップホップ的な人間だと思ってる」――いとうせいこう 1997(『Jラップ以前』後藤明夫 より)

「~ヤバスギルスキルがどうのこうとか言うなボケ/マジで俺の方がヤベェってことを、見せるぜ/Yo! ラッパ我リヤ・レペゼン、温まりな、待ったなしだ、発射台はお前に向ってるぜ/Yeah, 俺がQ、レペゼン・走馬党、これがフリースタイルの教科書、どうなの? お前気合い入ってねぇし、がーん/膝もがくがくってぶるってんじゃねえの?才能ないんじゃねぇの?」――Q(ラッパ我リヤ)2016(テレビ番組『フリースタイルダンジョン』より)

フリースタイル/ラップ・バトルを中心に据えたテレビ番組が注目を集め、知名度のあるアイドルがラップを取り入れる2010年代でも、日本におけるヒップホップは批判され軽視され続ける。2013年、ある大学教授/作家の"はっきり言って、日本語ラップってださいでしょう"という呟きが文藝雑誌に掲載され、翌年には著名なアスリートが"悲しいかな、どんなに頑張っても日本で生まれ育った人がヒップホップをやるとどこか違和感がある"とSNSを使ってコメントをした。

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最終更新:8/13(土) 17:00

ローリングストーン日本版

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