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五輪競泳4連覇のフェルプスの上半身に昔のアントニオ猪木と同じ丸い痣が!

HARBOR BUSINESS Online 8/13(土) 16:20配信

 2016年8月12日(日本時間)、米競泳男子のマイケル・フェルプス選手が200m個人メドレーで五輪競泳史上初の4連覇を達成。22個目の五輪金メダルを獲得し、五輪金メダル最多記録を更新した。リオ五輪では、フェルプスは400mリレー、男子200mバタフライ、800mリレー、200m個人メドレーで優勝した。

 筆者が驚いたのは、30歳を過ぎても金メダルを量産できるフェルプスの衰えない強さだけではない。フェルプスの右肩の紫色の大きな腫れ痕である。これが何であるのか、すぐにわかった。カッピング(吸玉、すいたま)である。驚いた理由は、フェルプスがカッピングをやっていることもあるが、それ以上に、かつてプロレスラーであったアントニオ猪木氏が現役時代にカッピングをやっていたことを思い出し、なつかしさとともにフェルプスとアントニオ猪木氏が繋がったからである。

 アントニオ猪木氏が四半世紀前に採用したカッピング療法を、現代の最先端アスリートが採用しているのか?カッピングにより痛みや疲れを取ったのが、フェルプスがリオ五輪で4つも金メダルを獲得した要因であると、本当に言えるのだろうか?

◆猪木もやってたカッピング

 四半世紀以上も前のことになるが、テレビのプロレス中継で、アントニオ猪木氏の上半身に、特に、背中に無数のカッピングの痕を見ることがあった。最初は、見ただけでは、何の痕なのかわからなかったが、プロレス雑誌でカッピングであることを知った。

 堀辺正史氏(故人。1941年~2015年)が、奈良時代より伝わる日本独自の拳法だと謳う「骨法」の道場を1976年に創設し、新日本プロレスのアントニオ猪木を始め、グレートカブキ、武藤敬司、獣神サンダーライガー、船木誠勝、ジョージ高野、スコーット・ホールなどが道場に通い、指導を受けていた。

 道場では、骨法の稽古の他に、骨法整体が行われており、全体療法としてカッピング(吸玉)療法が行なわれており、局所療法として首や腰などの矯正(いわゆるカイロプラクティック)がおこなわれていたという。

◆室伏広治もやっていた!?

 さらに、陸上ハンマー投げで2004年アテネ五輪金メダル、2012年ロンドン五輪銅メダルを獲得した室伏広治氏もカッピングをやっていたことがある。室伏氏はロンドン五輪の3年前、35歳の時から、年齢とともに練習の疲れが翌日まで残るようになり、理学療法士と相談し、カッピングを始めたという。

「練習が終わると、疲れはその日のうちに取り除きます。これはカッピングと呼ばれる疲労回復方法です。体内に、たまった老廃物を吸い上げることで、皮膚の下にあるリンパ管に流し込み、尿として排出します。 年齢とともに疲れが翌日まで残るようになり、3年前から始めました。」と、2012年7月10日(火)放送のNHK「クローズアップ現代」の中で、室伏氏はコメントしている。(参照:『クローズアップ現代』No.3227 2012年7月10日(火)放送「年齢の壁を越えろ ~室伏広治 金メダルへの秘策~」)

 NHKの番組サイトで公開されている写真を見ると、室伏氏のカッピングは、肩だけでなく、太ももの前側にも10個近くのカッピングをしていたようだ。

◆カッピングの歴史と効果は?

 カッピングは、東洋でも西洋でも行なわれてきた伝統的な身体治療方法である。数千年という古い歴史をもつ民間療法と言われている。ガラス容器にアルコール類を入れて燃やして皮膚にあてると吸いつくので、その身体部分が鬱血状態になり、それが治療に役立つと信じられている。

 映画でも、『ベストキッド』(原題 The Karate Kid)の2010年のリメイク版(ウィル・スミスの息子のジェイデン・スミスがドレ役で主演)で、ミスター・ハン役のジャッキー・チェンがケガをしたドレをカッピングで治療するシーンがある。

 また、『ゴッドファーザーII』(アル・パチーノ主演)では、若き日のドン・ビト(ロバート・デ・ニーロ)の回想シーンの中で次男のフレド(赤ん坊)が肺炎になり吸い玉を胸部に付けて治療を行うシーンがある。

 カッピングは、血流、循環機能の改善などに特に効果があるとされている。有害毒物を皮膚面から排泄し、表皮の再生力と抵抗力を増すと考えられている。また、皮膚に与えられる陰圧によって、毛細血管の刺激に反応し筋肉内の血管が拡張し、鬱血や充血を取り去り、リンパの循環をよくするとされている。

 その説の信ぴょう性は別として、アントニオ猪木氏、フェルプス、室伏氏は、カッピングをやってみて、疲労が抜けるという効果を本人は感じてはいたのかもしれない。

 しかし、一方で、カッピングに効果が無いという医師の見解もある。カッピングによる吸引は、毛細血管を破壊する。カッピングを同じ部位に繰り返し施すと、皮膚が破壊され、危険な感染症につながる恐れがあるという。(参照『フォーブス』)

 日本でも整骨院や鍼灸院などで施術しているところは多く、都内には、医師によるカッピングを受けられるクリニックもある。

 科学的・医学的根拠は薄弱なれど、トップアスリートも取り入れた民間療法が気になる、、、という人は、試す前に上記のようなリスクも考慮の上でトライしてもらいたい。

<文/丹羽唯一朗>

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:8/14(日) 10:42

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