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内藤瑛亮監督「お気に入りはダフの一人エッチ(笑)」

Smartザテレビジョン 8/14(日) 8:00配信

‘16年2月に公開された映画「ライチ☆光クラブ」が、8月3日にBlu-ray&DVDをリリース。本作のメガホンを取った内藤瑛亮監督にインタビューを行った。

【写真を見る】内藤監督は、カノンの配役について「カノンのオーディションは、たくさんかわいい女優さんに会えたので僕的にはとても楽しかったです(笑)」

野村周平、古川雄輝、中条あやみら注目の若手キャスト総出演で大きな話題を呼んだ同映画の撮影秘話や、キャスト陣の印象などを語ってもらい、前編後編に分けて紹介する。

【内藤瑛亮監督、“ライチ”公開後「戦々恐々としていた」 より続く】

――“絶対的美少女”の中条さんの印象は?

カノンのオーディションは、たくさんかわいい女優さんに会えたので僕的にはとても楽しかったです(笑)。でも、古屋さんが描いたヒロイン像の女性って、現実離れしたようなスタイルの子なんです。本当にお人形さんのような女性で、かわいいけど、こんな子は現実にいないでしょ!というレベルなので、そこは難しいところでした。

オーディションに中条さんもいらっしゃったんですけど、部屋に入ってきて、一目見て「この子がカノンだな」と思いました。古屋さんの漫画にある“お人形さん感”があって、それこそ現実離れしたルックスでしたから。それに、カノンを映画でやるにあたって、カノンの女性としての意思は入れたいなと思ったんです。原作だと本当に光クラブの象徴でしかなくて、あそこから絶対に逃げないし、少年たちのことも普通に受け入れちゃうけど、普通はあんなふうに拉致監禁されたら逃げようと思うし、監禁した人を嫌悪すると思うんですよ。

そういうちゃんとした女性の意思は欲しいなと思って。そのことについて中条さんとはお話していて、しっかり意思を持って意見を言うタイプだなと思ったので、原作的なルックスももちろんですが、映画版のカノンに求める意思の強さは彼女の中にあるなと思ったので、彼女しかいないなと思いました。

――野村さんは割とスタンダードな少年の役でしたね。

ゼラは割と芝居がかっているところがありましたが、組織のトップにいる人って、社長だったり、宗教家だったり、政治家もそうかもしれないですけど、少なからず芝居がかっていると思うんですよ。ジャイボやニコのようにゼラに付いていく人ではなく、彼と対立して吸収されない人っていうのは、どこか自然体なのかなと。

野村さんは「パズル」('14年)という作品でもご一緒して、そこで初めて会ったんですけど、その頃からタミヤ的なガキ大将な部分がありました。そう考えると、彼が適役だったかなと。先ほど古川さんが演技プランを立てるタイプだと言ったんですけど、野村さんは直感というか、感情で動くタイプで、その場で感じたものを芝居に反映させるような人なので、演技のアプローチも全然違います。

そこはタミヤとゼラの対比・対立として見えるかなと。撮影後、野村さんはよく俳優陣とつるんで夜中から朝まで飲んでいました。明け方まで撮影の日は昼くらいまで(笑)。

――タフですね!(笑)

反対に古川さんは絶対にそういった飲み会などには参加せず、次の日の撮影プランをじっくり部屋で考えていて、その辺もキャラの差がはっきりとしていました。そこは上に君臨する者としてちゃんと準備しないといけないんだという矜持というか(笑)。皆さんそういう意味では、性格が似ているんじゃないかなという気がしました。

――特にお気に入りのシーンはどこでしょうか?

個人的には、やっぱりダフ(柾木玲弥)の一人エッチです(笑)。あそこが一番共感したというか、僕がもしこの中にいるとしたらダフかなあと。あんなに友達のことを思って、友達のために「僕も光クラブを抜けるよ!」って言っておいて…性欲が勝っちゃうって(笑)。倫理観が出てきて、正しい道を歩もうとしてきたのに、それ以上に性欲が強かったんですね。

あのバカなところがたまらないですね。一通り終わったところで殺されちゃうし(笑)。でも、死ぬ前に、タミヤに「自分を殺せ」と呼び掛けている柾木さんの芝居の顔とかすごく良かったですよ。照明の方も、撮影が終わった後に「死ぬ間際のダフの顔は本当に良かったね!」と言っていましたし、編集の時もみんなに言われていましたから(笑)。

一人エッチだったからか、男性スタッフの思いも乗っかって「もっとこういう感じで! もっといこう!」とか、そういうアドバイスが飛び交っていました(笑)。僕も気持ちがノっていましたが、みんなそれ以上にノっていて、男性スタッフと僕の思いがダフに乗っかったような気がしました。それにしっかり柾木さんが応えてくれたんじゃないかなと。

――なるほど。他にはありますか?

あとは、ライチのロケットパンチですね。あれは原作にない部分ですけど、ロボットを出すならロケットパンチだろうなという、男子の単純な欲望でやりました(笑)。もちろん物語上の思いはありましたが、ロケットパンチがやりたい!という単純な欲望の方が強かったですね。原作だとゼラを最後に倒すのはニコだったのですが、映画では支配者たる彼が生み出したもので最終的にゼラが殺されてしまう方がグッとくるかなと。

美の象徴がカノンで、力の象徴がライチだと言っていますけど、その象徴だった少女にもちゃんと意志があって反抗する。従順だったロボットにも意思を芽生えさせ、カノンの思いも通じて、ロボットが生み出した本人に反抗して、結果倒してしまう。支配者ゼラが自ら生み出したものに結局殺されてしまうというのが、今回の映画で訴えたいところにつながるなあと思いました。

また、カノンのせりふにも「本当の人間は人を殺しちゃいけないの」というのがあるんですが、人を殺してしまった者たちの罪をしっかり裁きたい、問いたいなと監督として思っていましたから。やはり生身の人間が演じるので、死がより生々しく伝わってくるので、その罪をどう償うのかというのをしっかりと描かないといけないなと思ってそうしました。

――未公開シーンで、泣く泣くカットしちゃったところもありますか?

古屋さんと一緒に漫画兄弟をやられている平沼紀久さんという俳優さんがいるのですが、彼の出演シーンは丸ごとカットしてしまいました。撮影したときは、「ライチ☆光クラブ」のことを追う刑事という設定だったのですが、編集でつないでみるとどうしても引っ掛かってしまうというか…。

フィクション性が高い世界観なので、そこに現実的なものが出てくると違和感というか、“ノイズ”になってしまって。だって真面目に刑事が捜査したら、彼らはすぐ捕まえられるんですよ。でも、そういう話じゃないので、それならまるごとない方がすっと話に入っていけるかなと。撮影はしたけど「作品をよりよくするためにカットさせてください」って平沼さんにお話して、ちゃんと理解していただきました。

――実際撮影された部分では、光クラブのメンバーとも絡みがありましたか?

野村さんとちょっと絡んでいるシーンがありました。あと、ジャイボが鼻歌を歌っているところがあるんですけど、あの場面もその刑事の場面とつながっていたので、泣く泣くカットせざるを得なくなりました。あれは入れたかったんですけどね。コレクターズ・エディションの特典映像Blu-ray&DVDにはそのシーンの撮影風景も入っています。

原作にもありますが、本なのでメロディーが付いているわけじゃなくて。だから間宮さんに「どうやって歌うんですか?」って聞かれたのですが、僕は「任せる!」って丸投げしちゃいました(笑)。それでもいい感じに歌ってくれて、いい芝居をされていたので、そこは必見だと思います。

――ちなみに作品と離れて、監督がこれから描きたいテーマは?

実際にあった出来事、特に犯罪実話を基にしたものを映画化したいなと思っています。これまで「パズル」だったり「ライチ」だったり、罪を犯す少年少女の物語が多く、彼らに寄り添って、その内面を描くような話を描いてきたので、罪を犯した少年・少女と大人はどう向き合うのかを描く作品がやりたいです。

――お忙しいと思いますが、何かいいリラックス方法ってありますか?

割と動物園が好きなので、動物園に行くことがリラックスになります。この前もタスマニアデビルが来たという触れ込みだったので、多摩動物公園に行ったんです。でも、タスマニアデビルって基本的に夜行性なんですよ(笑)。だから、寝ている背中しか見えなくて…。結構人が集まっていたんですけど。

――切ない! 夜には営業してないんですか?

そこは下調べが足りなくてもったいなかったのですが、夏休みは夜までやっている日もあるらしいので、今度また夜に行きたいなと思っています。

――最後にBlu-ray&DVDを買う方にメッセージをお願いします。

映画では気付かない人も多かったと思いますが、中学校が映る引きの画のとき、CG部の遊びで、校舎の中を猛ダッシュで走る生徒がいるんですよ。窓の中にさ~っと走る人影が見えるんですけどそれはCGなんです。僕も初見では気付けなかったくらい細かいので、ぜひ見つけてほしいなと思います(笑)。ディテールを作り込んでいく話なので、特にソフトではそういう細かいところを見てほしいですね。ダークファンタジーとあるように、いろんなことがメタファーになっている寓話なので、恐らく見る時のその人の気持ちなり、考え方で印象は変わってくると思いますので。時間がたってあらためて見るとまた違う発見があると思います。何度でも見てください。

最終更新:8/16(火) 17:12

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