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熱戦続くリオ五輪を“ロボット記者”がリポート! 報道の現場にもAIが進出中!?

おたぽる 8/14(日) 11:00配信

 連日熱戦が報じられているリオデジャネイロ五輪だが、選手の技術と実力が極限状態で競われる一方、各報道陣も力量が大いに試されている。その熾烈を極める報道合戦の現場に、今の時代ならではの強力な助太刀が現れている――それは人工知能だ。

■“ロボット記者”がリオ五輪報道で活躍

 アメリカの歴史ある全国紙、ワシントン・ポストはリオ五輪の報道の現場に、自社で開発した“ロボット記者”「Heliograf」を実戦投入している。いよいよ報道の世界でもロボットが活躍する時代になったのだ。

 現在、ワシントン・ポスト所属“ロボット記者”の仕事ぶりが直接確認できるのが、同紙のリオ五輪用のTwitterアカウントPost Olympicsだ。ここでツイートされているリオ五輪情報は、基本的に同社のロボット記者が執筆しているという。各競技の試合結果を報じたり、各国の獲得メダル数の集計を随時途中報告したりと、各種の最新データを反映させた“短信”をロボット記者が次々と書き上げて投稿している。

 遂に報道現場にも進出してきた人工知能に、現役の新聞記者たちもうかうかしていられないのか……。とはいっても、このロボット記者が一面トップを飾る記事をしたためるには、もう少し“記者見習い”の期間が必要であるようだ。

「私たちは人工知能に記者の代役をさせたいわけではありません。我々はもっと記者を自由に活動させたいのです」と、情報サイト「recode」の記事で語っているのは、同紙データサイエンス部門の責任者であるジェレミー・ギルバート氏だ。つまり、今いる記者に、単純な“短信”を執筆させる負担を減らし、もっと趣向を凝らした興味深い記事の執筆に専念してもらうためにロボットを起用したということだ。

 現在、このロボット記者である「Heliograf」はエンジニアが3人で管理にあたっている。さらに数名の生産アナリストとニュースルームスタッフが非常勤で管理に関わっているという。そしてこのリオ五輪の後、「Heliograf」は終盤を迎える米大統領選の報道に本格的に投入されるとのこと。

 今日において、人間の記者とロボット記者の共同作業はあまり行なわれていないが、ギルバート氏によれば人間の記者が書いた文章にロボット記者がデータ面での捕捉を行なうなど、記事制作を補助する役割が期待されているという。そして、紙面作りにロボットが加わっていることを読者に気づかれないことも目標のひとつであるという。

■すでに“ロボット・ライター”は各分野で活躍

 先日もおたぽるで、グーグルの“恋愛小説家AI”を紹介したが(参照記事)、ロボット小説家やロボット詩人、そしてロボット記者など、文字コンテンツの創作を担う人工知能はワシントン・ポスト紙の他にも各社が競って開発している。今年3月には、短編小説文学賞「星新一賞」に人工知能が“作者”の作品が一次予選を通過して話題を呼んだことも記憶に新しい。

 AP通信でも昨年から“ロボット記者”本格的に稼動し、企業の決算報告に関するニュース記事を作成しており、FOX Newsもスポーツ結果の要約記事を“ロボット記者”にまかせて自動生成している。

 米・イリノイ州のノースウェスタン大学では、Narrative Scienceという研究チームが発足しており、各種のデータを自然な言葉づかいの物語にする人工知能の研究が鋭意進められている。そもそも最初の研究では、野球のスコアデータからストーリーを綴るというものであった。その後研究を重ね、財務データを文章へと変えるプラットフォーム「Quill」を立ち上げて大手保険会社から出資を受けるほどまでに急成長している。

 人工知能が職場に進出するニュースが報じられるたびに、「ロボットが人間の仕事を奪う」という論調になりがちなのだが、これらのロボット記者の例をみれば、あまりモチベーションの湧かない面白みに欠けるルーティーンワークをロボットが肩代わりしてくれるという話にもなる。ロボットのおかげで人間の記者はより複雑な、取材活動を伴う記事を執筆することに集中できるのだ。これもひとつの人間とロボットの新しい協力関係ということになるのかもしれない。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・recode
http://www.recode.net/2016/8/5/12383340/washington-post-olympics-software

最終更新:8/14(日) 11:00

おたぽる

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。