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ペトロヴィッチ監督が小倉監督へ異例のアドバイス!? 「名古屋は今の順位にいるようなチームではない」

SOCCER DIGEST Web 8/14(日) 7:00配信

「小倉監督は素晴らしい人間性を持っている」

[J1第2ステージ8節]名古屋0-2浦和/8月13日/豊田ス
 


 浦和が2点をリードしたまま、試合が終わると、小倉監督がペトロヴィッチ監督のもとへ駆け寄る。百戦錬磨の知将は青年監督の頭と頬をさすりながらなにやら声をかける。試合後に健闘を称えった1シーンだが、ペトロヴィッチ監督はこの際、小倉監督にあるアドバイスを送っていたという。
 
 試合後の監督会見でペトロヴィッチ監督はまず名古屋の印象についてこう語る。
 
「(この日の)名古屋は非常に強いモチベーション、戦う気持ちを持って臨んできました。名古屋は今の順位よりも力のあるチームだと思いますし、それは今日の試合でも垣間見ることができました。以前に我々と対戦した際は、彼らは勇気を持ってチャレンジしていました。彼らがそういう戦いをしたからこそ良いゲームになったと思います。
 
 名古屋は今日のような強い気持ちで、残留を争うチームに勝利することができれば、十分に残留が可能なチームだと思っています。名古屋のような伝統のあるチームがJ1に残ってくれることを私自身心から願っていますし、今後の健闘を祈っています」
 
 ここまで相手チームを褒めることは稀だが、さらにペトロヴィッチ監督は試合後に小倉監督とどんな会話を交わしたのかをこう説明する。
 
「小倉監督は非常に素晴らしい人間性を持っている方だと思います。ただ、私のほうが若干、監督としての経験が長いので、私のキャリアからアドバイスをすれば、彼はまだ若いので、こういう難しい状況になると、光を見出せないことがあると思います。でも私が彼に伝えたことは下を向いてしまったらそこまでだよ、ということです。悪いなかでも必ずポジティブな部分はあると、そこを見つけて、選手たちと前向きに努力することがこういう状況を抜け出す要因になると伝えました」

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狂った歯車を直すことはできるのか。

 当の小倉監督は悔しさを噛み殺すような固い表情で会見場へと現われた。前々節からは理想を捨てたかのような守備偏重の5-4-1へとシステムを代え、その初陣となった横浜戦では、スコアレスドローで勝点1を獲得。しかし、前節の広島戦、今節の浦和戦とともに2失点して連敗を喫した。5-4-1で戦ったこの3連戦で少しでもポイントを稼ぎたかっただけに、大きな悔いが残っているのだろう。
 
「マリノスから続く3試合のなかで、ポジティブな面があったにはあったが、現状、それ以上に結果が必要ななかで負けてしまったのは非常に残念です。今日は多くのサポーターの方が来てくださったのに勝ちを見せられなくて本当に申し訳ないです」
 
 5-4-1への変更でポジティブに映ったことといえば、第2ステージは1節から5試合で10失点を喫していた守備が若干ではあるが改善傾向にある面、そして最前線に永井を配置したことで、そのスピードを活かしたカウンターという明確な攻撃の形を打ち出せた点だろう。
 
 しかし、この日の浦和戦でも守備陣は多くのピンチを迎え、攻撃陣も相手を脅かすほどのチャンスを作れたとは言い難い。クラブは守備の再建のためにストイコビッチ政権時に参謀役として働いたB・ジュロヴスキーをアシスタントコーチとして再招聘した。
 
 そのなかで小倉監督は今後、どのような指針を示すのか。ペトロヴィッチ監督が語るように個々のタレントを見れば、名古屋は降格するようなチームではないのかもしれない。だが、一度狂った歯車を直すのは並大抵のことではない。さらに今節、15位の甲府が勝利したため、残留圏に入るためには勝点4が必要となった。
 
“前を向いてポジティブに”――先輩指揮官の言葉を信じて、残り9試合を全力で戦えるのか、注目だ。

取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

最終更新:8/14(日) 7:00

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