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映画『イレブン・ミニッツ』:ポーランドの大御所が描くスタイリッシュなサスペンス

ローリングストーン日本版 8/14(日) 11:00配信

前々作の『アンナと過ごした4日間』でストーカー男の話を芸術作品にまで高めてしまったイエジー・スコリモフスキ監督。彼の最新作だ。

【予告編はこちら】映画『イレブン・ミニッツ』:ポーランドの大御所が描くスタイリッシュなサスペンス

威風堂々とした風体の彼は、数々の映画に出演している俳優でもあるが、1970年に発表された異色の青春映画『早春』に代表されるように、一筋縄ではいかない手ごわい作家として一目置かれてきた。38年生まれ、同郷のアンジェイ・ワイダ監督『夜の終りに』(61年)や、ロマン・ポランスキーの出世作『水の中のナイフ』(62年)の共同脚本がキャリアの始まりだから、地元ポーランドを中心に長く映画界に君臨してきた巨匠のひとりだ。

新作は驚くほどスタイリッシュなサスペンスであり人間ドラマ。しかも秒刻みの緻密な時間計算から成っている映画だが、かといってスコリモフスキの大胆さが失われているわけではない。わけもわからないうちに物語に引き込まれ、おそらくは物語づくりの起点になっただろうこの映画に欠かせない「オチ」へと誘ってくれる。イレブン・ミニッツ=11分の間に数カ所で起きるさまざまな雑然とした出来事が最後に収斂し、一気に爆発するのだ。時々ビルの谷間すれすれに飛ぶ旅客機が、危険と背中合わせのモダンなこの街=現代を象徴しているようにも見える。

『イレブン・ミニッツ』
★★★

監督/イエジー・スコリモフスキ
出演/リチャード・ドーマー、ヴォイチェフ・メツファルドフスキほか
8月20日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
http://mermaidfilms.co.jp/11minutes/

Text by Noriko Yamashita

RollingStone Japan 編集部

最終更新:8/14(日) 11:10

ローリングストーン日本版

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