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就職先は「ソーシャルビジネス」社会起業家を目指す理由(2)

オルタナ 8/15(月) 15:28配信

就職活動で、「ソーシャルビジネス」を決め手に会社を選んだ若者がいる。企業の知名度や規模ではなく、社会問題の解決に挑みたいと門を叩いた。彼/彼女たちはなぜ社会問題に関心を持ったのか。期待と不安が混ざった社会起業家の卵たちの素顔を追う。

世間が社会起業家に抱くイメージと言えばどのようなものだろうか。社会問題の構造を熟知し、高度なビジネススキルを持ち、人としての魅力にあふれた「次世代型リーダー」だろうか。

この特集では、ソーシャルビジネス業界で売上高トップのボーダレス・ジャパン(東京・新宿)に就職した若者たちにインタビューしていく。同社は、「ソーシャルビジネスしかやらない会社」と宣言し、9つの事業を展開している。若手社員の育成にも力を入れており、新規事業へ最低3000万円の投資を行う。

この取材では、社会問題の解決を志し、ソーシャルビジネスを行う急成長ベンチャーを就職先に決めた若者に、志望した理由や入社後本当にやりたいことはできているのか、そして、プライベートな質問まで投げかけた。社会起業家の卵たちの素顔をお届けしたい。

■入社後、何を学んだ?

第一弾は、新卒1年目の松浦由佳さん。彼女は、「アフリカの物乞いをゼロにしたい」と意気込み、ボーダレス・ジャパンに入社した。前半では、彼女がアフリカの貧困を問題視するようになったきっかけや、入社の経緯を聞いた。後半では、「入社後」について尋ねた。

――入社直前の2月には、自分の志と問題解決のビジネスプランを発表する「内定者研修」がありますね。そこでは、どんな話をしましたか?

松浦:「タンザニアに靴工場を建てて障がい者を雇用する」プランを発表しました。私のタンザニアの友人は障がいがあって、物乞いしながら生きています。仕事についても、解雇されたりして続けられずに物乞いに戻る。

このサイクルを、断ち切りたいです。あと、年間5,000万足の靴がタンザニアに輸入されていると知って靴工場に目をつけました。わざわざ輸入するほどなら国内製の靴の需要はあるし、売れるはず。タンザニアには「他に服がいらない」という理由でスーツを着る文化があるので、それに合った靴を製造して雇用をつくろうと考えました。

――その「内定者研修」では各社リーダーから直接、プレゼンへのフィードバックがありますが、どうでしたか?

松浦:5人のリーダーにボコボコにされました(笑)。中国など他国からの輸入品に勝てる理由は?靴を生産する難易度は?ハンディキャップがある人のどんな強みを活かしたビジネス?物量を出せるようになるまでにお金も時間もかかるけど耐えられる?―1つ1つ掘り下げて質問されて、未熟な部分がたくさん見えました。

実は、研修前にも違うプランを個人的に2回、鈴木に見てもらったんですが、その時も一蹴されました。瞬殺ですよ、瞬殺(笑)。でも、少しでも早くアフリカでやりたいから、入社前からこういう機会があるのはありがたいです。

――この発表をふまえて配属が決まりましたが、どう思いましたか?

松浦:バングラデシュに工場を持ち、革製品の生産・販売を行うBusiness Leather Factory社に配属が決まって嬉しかったです。自分のプランと近いことを既にやっているのでたくさん吸収できそうですし、「最もハード」と聞いていて、そういう環境で揉まれたいと思ったからです。

ちなみに、その時までボーダレス=ファンタジーで裏がある会社と思っていましたが(笑)、研修と配属を経て、それは違うと確信しました。

裏があるどころか本当に1人ひとりを見てくれる会社だなと。リーダーがわざわざ集まって私たちの事業プランに真剣にフィードバックをくれたことと、配属理由の明確さがそう思った理由ですね。

――そして4月1日に新たな一歩を踏み出したわけですが、ここまでどうでしたか?

松浦:初日から現場で高い壁にぶつかりました。こんな速いスピードで物事を決めて動かしているのか…!って。それまで自分なりに走り回ってきた自負はあったんですが、全く歯が立たない感じでした。

4月はバングラから届いた2万点の商品の検品と、ECサイトの受注~出荷の作業をマスターしました。オーダーされた商品がミスなく最短で届くよう、ストップウォッチとにらめっこしながらタスク管理していたので、今もその習慣があります。

5月からは4つのプロジェクトを掛け持ちしています。カスタマー対応など裏方のものが主ですが、最近はWebマーケティングも始めて、まずリピーター向けのメルマガを担当しています。文章1つで売上が変わるので、読んだお客様が思わず購入する文章を書けるよう、色んな文章を読んで書いてみる練習を繰り返しています。

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最終更新:8/16(火) 13:30

オルタナ

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