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アスリート取り巻くセカンドキャリア問題、元五輪選手が指摘する“ある傾向”

THE ANSWER 8/15(月) 14:32配信

荻原次晴さんが指摘する、セカンドキャリにおける“意識の差”

 アスリートは現役引退後、プロアマ問わず「セカンドキャリア」の問題に直面することが多い。指導者に転身し、新たなステージで成功を収める選手がいる一方、現役時代に華々しい成績を残しながらも引退後に転落してしまう事例も少なくない。それだけにここ近年セカンドキャリアの重要性を訴える声も増している。そんな中、現在、スポーツキャスターとして活躍する荻原次晴さんが“ある傾向”を指摘している。

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 元五輪選手の荻原さんは「アスリートのキャリアプランニングセミナー」のセミナーに出席した際、「今のアスリートを見ていて思うのは特にセカンドキャリア、引退してからの第2の人生が非常に厳しい時代になっていると感じています」と語った。

 スキーノルディック複合で活躍した同氏は1998年の長野五輪後に引退を決断。その当時はバブル経済が崩壊していたとはいえ、状況は今よりも良かったと感じているようだ。「トップを目指しスポーツに打ち込んでいけば、実業団に入れた時代。今は実業団に入ってスポーツを続けられるのは、本当に限られたごく一部だけになってしまいました」と同氏は解説する。

 ただ、その“限られた存在”であるトップ選手も、第2の人生で苦しむケースがあると荻原さんは指摘する。

「僕が強く思うのはセカンドキャリアに対して意識が非常に高い人と、低い人とで両極端に分かれているんじゃないかなと思います。これは意外かもしれませんが、セカンドキャリアの意識が低い人ほどプロスポーツで成功している傾向にあります。このまま栄光が続くはずだと錯覚に陥っていると感じます。五輪に出られるかどうか当落線上にいる人のほうが、セカンドキャリアについて真剣に考えているんです」

意識の違いはどう表れてくるのか―

 元シンクロナイズドスイミング日本代表の青木愛さんも「成功しているからこそ、アスリートとしての調子がずっと続くと考えているタイプの人が多いですよね」と、その意見に同調する。セカンドキャリアへの意識の違いは具体的にはどのような部分に出てくるのだろうか。荻原さんは次のように語った。

「就職に生きる資格を取れるうちに取っておく。もし引退となったらどんなところで働けるか、という目星をつけておいたり、周囲の人々に相談しておくだけでもスタート地点が違いますよね。JOC(日本オリンピック委員会)にもキャリアサポートセンター(JOCキャリアアカデミー事業)というものが存在します。そこを有効活用して『引退後、自分はどんなことができますか?』と質問にいっているアスリートもいます。

 逆に飛び抜けた実績を残した選手はプライドが高くなってしまうことがあります。もし企業で働くとなった際、コピーを頼まれるなど、社会人としての当然のことを“何でこんなことをオレがやらなきゃならないんだ”という状態で仕事に取り組むと、雇う側としても非常に扱いづらいですよね」

 今はセカンドキャリアだけでなく、現役を続けるための就職支援などのサポートも手厚くなってきている。あとはアスリート自身が競技を終えた後の人生に向けて、いかに意識を変えていくとができるか。荻原さんが指摘するセカンドキャリアにおける意識の差は、選手自身の努力で埋めていくしかないのかもしれない。

ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer

最終更新:8/15(月) 14:34

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